見出し画像

経済音痴女子アナの愚痴日記(#36)日経平均株価って何? ②

先輩キャスターMから、日経平均株価を調べろという宿題を出された。
ヒントは「サッカー日本代表」っていうのだけど、いつもと同じくまったくヒントになってない。

すると、プロデューサーSが通りかかった。
いつも助けてくれるから、ホント、助かってる。

で、早速聞いてみた。

「日経平均株価は何か?っていう宿題をMさんから出されました。ヒントは『サッカー日本代表』だって言うんですけど、意味不明で困ってます。」

するとSは、「いつもヒントばかりで、教えてくれないんだなあMは・・」と笑いながらも、講義をしてくれることになった。

「サッカー日本代表って、どんなチームだ?」
「たくさんいるサッカー選手の中から、J1や海外のビッククラブでプレーしている選手が選ばれるエリートチームです。」
「日経平均株も同じだ。東京証券取引所の中には、いくつかの市場があるけど、その中で最上位にあるのがプライム市場だ。そこで取引されている銘柄から、活発に取引されているものが選ばれているんだよ。」
「選ばれている銘柄数は、どのくらいなんですか?」
「225だ。だから『日経225』と呼ばれることもあり、英語名も『Nikkei 225』となってる。約1800銘柄が取引されているプライム市場の中から、特に優れた225銘柄が選出される。かなりの狭き門だね。」
「株式市場のJ1、つまり国内最高峰の市場でプレーしている選手の中から、特に優れた選手のパフォーマンス、つまり株価が示されているのが日経平均株価。まさしく、『株式日本代表』ですね。」
「そういうことになる。そして、選手のパフォーマンスである株価の平均を算出したのが、日経平均株価になるわけだ。」

「日経平均株価が上がれば、日本の株式市場が好調、下がれば不調ということかですね」
「そうだね。1980年代のバブル経済の時代、日本の株式市場は絶好調だった。世界一の経済大国アメリカと互角、あるいはそれ以上の実力を持っていた。サッカーで言えば、FIFAランキングがベスト3くらい、ブラジルとかアルゼンチンとかと肩を並べていたんだ。」
「日経平均株価は、1989年12月29日取引時間中に3万8957円44銭、終値で3万8915円87銭を記録した。この時、日本はまだまだ上がるという熱気と自信に満ちあふれていた。株式市場のワールドカップで、優勝できると本気で思っていたんだね。」
「でも、バブル崩壊で絶不調になっちゃった。」
「その通り。バブル崩壊後、株高を牽引してきた企業の株価が急落する。フォワードはシュートを外し続け、ディフェンスは簡単に突破され、キーパーもお手玉ばかり・・・。倒産して『死』を迎える企業も続出した。連戦・連敗が続いたことで日経平均株価は暴落、2008年10月28日には、6,994円90銭まで下落したんだ。」
「そんな日本の株式市場が、復活し始めたわけですね。でも、あまり実感がわかないです・・・」
「そうだね。株価は景気のバロメーターと言われている。でも、今の株高は実体経済とは乖離していて、投機的な動きが演出しているという指摘もあるんだ。」
「番組でも専門家の方がそう言っていました。海外投資家が円安などを材料に積極的に買っているからで、景気を反映したものではないと。」
「そういうことになるかな。こうした投機的な動きは、一時的なものに止まることが多い。今後も株価が上がり続けるかどうかは分からないというのがホントのところだ。」

「ところで、日経平均株価という日本代表を選んでいるのは、誰なんですか?」
「日本経済新聞社だよ。彼らはサッカー日本代表監督であり、日経平均株価に採用する銘柄を決めているんだ。」
「どんな基準があるんですか?」
「サッカー日本代表と同じく、採用銘柄の入れ替えがおこなわれているけど、それほど頻繁ではないんだ。入れ替えが激しいと、連続性が失われてしまい、過去との比較ができなくなるからね。もちろん、採用する銘柄の種類も様々な業種をまんべんなく入れるようにしている。フォワードばかりではなく、ディフェンスやキーパーなども選んでいるわけだ。」

なるほど、これで、先輩キャスターMが言っていた「日経平均株価はサッカー日本代表」ということが理解できた。

「これが日経平均株価の概要だけど、まだまだ解説が必要だ。平均株価って言うけど、実は単純に株価を平均しているわけじゃない。また、日本を代表する経済新聞社とはいえ、民間企業である日経新聞社が選ぶ225銘柄を日本代表としていいのか?株式市場全体、つまり日本のサッカー界の実力が、本当に示されているのか?という疑問もある。」
「でも、今日はここまでにしよう。また、ランチタイムにでも解説するね。」

こう言ってSは行ってしまった。またまた、ランチタイムのお勉強か・・・。ため息しか出ない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?