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『暗殺者たちに口紅を』

社会的悪人を始末する暗殺組織〈美術館〉で、長きに亘って仕事をしてきたビリーたち女性四人組ももう引退だ。退職祝いに招待されたカリブ海クルーズへと乗り込んだが、船で乗務員に成り済ました組織の仲間を見つけ、これは罠だと悟り脱出を試みる。その方法たるや!
組織が自分たちを始末しようとしていることに気づいたビリーたちの行動力に驚きを隠せない。この人たち、還暦なのだよ。ビリーの、のっけからの勘の良さ、つまり骨の髄まで叩き込まれたプロ意識にがっつり惹き込まれてしまった。四人其々の特技を活かした連携プレイに拍手を送り、パニックにならずに目の前の問題を冷静に片付けていく姿勢に感心する。
自分たちが殺られる前に殺る。目的は単純だ。そこへ真っ直ぐに突っ走っていく様子が読んでいて実に爽快なのだ(やってることは暗殺なんだが)。
これ、映像化しないかな。絶対面白いと思う。期待したい。

私だってそろそろそういうお年頃になった。でも、彼女たちには全く敵わない。というか、感覚的に四十代くらい?じゃなかろうか。明日からビリーを見習って朝から二時間ヨガでもしてみようか。

「暗殺者たちに口紅を」
著 ディアナ・レイバーン /訳 西谷かおり
創元推理文庫 /東京創元社

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