マガジンのカバー画像

My Favorites

8
私の作品の中で、特に好きな作品を集めました。
運営しているクリエイター

#短歌

短歌「夢の雫」六首

【満開と淡き彩り萌える中 芽生えし思い逃げ水の如】 【その思ひ散り行く花と儚くも 届かぬ心風に吹かれん】 【風向きの変わりて憂い消え去りし 月の光に浮び来る君】 【彼の人は菖蒲の香り仄かなり この手を取りて誘い行かん】 【夢幻の淡き光ぼうとして 青葉より雫ぽつり落つ】 【微睡みに夢から覚めて春の雨 青葉を滑り嫋やかに落つ】 📝 昨日の夜明けの雨は凄い降りでしたが 其の後からは音もなく静かな降り、そして晴れ間も。 その様な中、庭を眺めて居りました

短歌 de ポエム【マロニエの並木】

この並木 思い出深く 日々歩む 春夏秋冬 折々の花 この並木 フルフルそよぎ 爽やかな 煌めく若葉 頬撫でる風 この並木 マロニエの咲く 初夏近し 愛おしき君と 交わす眼差し この並木 寄り添う二人 見守りて 星霜の日々 散りぬる日々 この並木 片割れ時の 物悲し 君待つ吾そ 独り歩みぬ この並木 ハラハラ零る 心に雨 吾に重なる 黄葉の影 この並木 凍れる風情 冬枯れの 侘しさ漂い 仰ぐ天空 この並木 春の訪れ 感じつつ 独り佇み 懐かしき哉 此

【短歌】8首/花々と星空のアダージョ

1.密やかな夜風の中で花々は揺れて香りの言の葉交わす 2.宙は虹色ときはなち咲く花の芳香麗し沈丁花 3.揺れ動く短き命花のよに瞳の奥に吾子の面影 4.呼応する互いの思い流れ星今宵も届く言霊ひとつ 5.星月夜濃藍の宙に星々は撓むる如き煌めき飛ばす 6.瞼閉じ聴き入る星の音微やかに響く記憶のガムランボール 7.アポロンよ夜の帳が降りる前 宙に記すは愛ぐし人の名 8.ヴィオロンの流る旋律懐かしく囁きかける愛のアダージョ