こんな人に私はなりたい
町の一隅、それも街はずれの、田園が1キロ弱の場所に見えるような郊外ではなく、ガラスが藍色に泥んでいるようなビル街、大通り沿いのビル街のビルの足元の、日陰になった窪みのところにうずくまり、そこの湿ったような染みと一緒になる。私はそこでみすぼらしく、二日前に握りつぶされたビニール包装みたいな見てくれをして、日なたをよい姿勢で歩くビジネスパーソンを、縊られたニワトリのような目で眺めている。私はかれらを嫌ったりはしないし、嫌悪感も、憎悪感も、羨望も敵意も向けたりしない。ただ、表の世