タワーに泊まろう THE TOWER HOTEL@名古屋
旅先でせっかくなら珍しいところに泊まりたい。
そんな時目に止まったのが『THE TOWER HOTEL』
タワーって地上から眺めたり展望台にのぼるものじゃないの?
ここはどうやらタワーに泊まれるらしい……。
JR名古屋駅からすぐ近くの栄駅を降りて地上に出るとそこはタワーの足元。セントラルパークの広場でひときわ存在感を放っている。
元テレビ塔がホテルに変身
1954年につくられ、半世紀以上も街のランドマークとなっていた名古屋テレビ塔。設計は東京タワーも手掛けた内藤多仲(ないとう たちゅう)。
2005年に国の登録有形文化財として認定され、現在では中部電力 MIRAI TOWERとなり、その中に世界初のタワーホテルが誕生した。
1Fはカフェ、2F~3Fは挙式なども行えるイベントスペースやショップ・ラウンジがあり、4F~5Fがホテルとなっている。
特別感を五感で楽しめる
ホテルはエントランスからラウンジ、客室までいたるところにアートを感じられる空間になっており、BGMやライティングなどもホテル全体の空気感をつくっている。
部屋に入ってまず目に飛び込んでくるのがタワーの鉄骨。
部屋の中のあちらこちらに鉄骨がむき出しになっており、触ることもハシゴのように上ることもできる。タワーの中にいることが実感できる無骨で不思議な空間が広がる。
それにしてもテレビ塔からホテルへの改修はさぞかし大変だったんだろうと思いを馳せる。コンバージョンを手掛けたのは京都の建築スタジオFHAMS。
構造上もかなりの制約があった中で鉄骨を『隠す』のではなく、『魅せる』デザインとして空間のコンセプトに落とし込んでいったそうだ。
テーブルにはウェルカムドリンクとお菓子が並んでいて可愛くて写真を撮らずにはいられない。
お茶とお菓子のペアリングがされているのでひとつずつゆっくりと味わってほしい。
宿泊者限定の展望体験
日中は展望台として開放しているが、夜の22~26時だけ宿泊者限定で無料で展望台(スカイデッキ)にあがることができる。
まさに貸し切り状態で、静かに名古屋の夜景を眺めたりブックラウンジでしっとり優越感に浸れる。
屋外にはスカイバルコニーもあり、日本夜景遺産にも選ばれた眺望を楽しむことができる。
実はこの展望デッキに向かうまでの道のりも特別感満載だが紹介したい気持ちをぐっと堪える……。これは泊まってみてのお楽しみ。
街を見下ろしながら楽しむ朝ごはん
朝ごはんは大通りを眺められる窓際のテーブル席に案内された。
コース料理のようにお品書きから期待値の上がる和朝食。
バーミキュラの炊きたてごはんにたまごをかけて食べるのがとても贅沢。
選べるお醤油も5種類もあって迷ってしまう。
バイキングの朝食とは違って、街を行き交う人の景色を楽しみながら時間をかけて味わうことができる。
今までタワーに上ることはあっても、そこに滞在するというのはなかなかできない体験。夜景から朝日と時間帯によって景色が変化するので、同じ空間にいてもまるで別の場所に来たような感覚になる。
チェックアウトし、セントラルパークを少し歩いて振り返るとタワーがこっちを見ていた。
これからも時を超え、名古屋の街を見守っていくのだろう。
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