われても末に……
とある若者の小さいころ……、空港……、おじいさん……、
で、パッと、記憶が蘇った。
わが家の、わりと近くにある、とてもローカルな小さな空港。
とある若者が、やっと歩けるぐらいの、とある幼児だったころ、空港の乗り物キャラクターが出てくる、ある幼児番組が大好きでした。それで、毎日のように空港に散歩に通いました。
この空港は、それほど利用者は多くない小さな空港ですが、小さいながらもいろいろ遊びどころのある牧歌的な場所です。
噴水 バラ園 遊具のある公園 ぐるっと散歩できる公園
などなど・・・
展望デッキは夏の数日無料になって、花火を見たりもできる楽しいところ。
空港には大きい飛行機・小さい飛行機をはじめとして、いろんなおもしろい乗り物(?)が働いていて、小さな男の子たちの憧れの的。小さい男の子を連れたお母さんたちをよく見掛けました。
当時は狭いアパートに住んでいたので、とある幼児はここで上手に歩けるようになったようなものです。
飛行機は轟音がするので、とある幼児は飛行機より、いろんな働く乗り物のほうがお気に入りでした。
とある幼児がフェンスに顔をくっつけて引き込まれるように見つめて、「アレ!」とか、「アレ!」とか、何回も指さす何かの働く乗り物に、名前は分からなかったものの、わたしもいちいち返事をしていたっけ。分からないのになぜか会話が成立している……、今も変わらぬ構図です。
そして、そう言えば、それと全く同じようにしている、同じ年頃の男の子がいました。同じ年頃というより、体格、できることからしても、間違いなく同い年(1歳)。と言っても、そういう感じの子はたくさん見掛けたのだけど、いつも「おじいさん」らしき人と一緒に来ていた男の子は、あんなに毎日通った中で、一人しかいない!
もしかして、あの子じゃないよね……?
ほぼ毎日、お孫さんにつき合っている、おじいさんらしき人は、とても穏やかで賢そうな雰囲気を醸し出している、記憶に残るほど雰囲気のあるおじいさんでした。とある幼児は、その男の子に出会うと、いつもなんとなく平行遊び的な感じになっていました。
その子が走れば、走ってみる。その子が回れば回ってみる。
空港の公園にある、子どもが乗ってゆらゆらできる、小さな飛行機の形の遊具(今AIに訊いてみたら”スプリング遊具”というらしいです。)に、その男の子は小柄なのに自力で登れました。でも、とある幼児は登れなくて、わたしにいつも「乗せて?」の両手を差し出すので、わたしが手助け。すると、そのおじいさんらしき人が、
「お子さんは、背が高いから乗れないんですよ。こっちは小さくて、体が軽いからできるんですよ。」
と、言ってくださった声まで、クリアに思い出してしまいました。
わたし:
「……とある若者は、昔、空港のゆらゆらする遊具が好きだったよね?飛行機の形の。」
とある若者:
あ~、そうそう。
その遊具のことも、そいつはめっちゃよく知っとったよ。あいつもいっつも遊んどったって。そういうめちゃくちゃマイナーな話題で、変な感じで盛り上がったときがあったんよね~。
「わっ😮
やっぱりあの時の赤ちゃんやん」
後日、とある若者が、ご本人→そのおじいさん に訊いてみたら、やっぱり記憶とピッタリ一致。多分、やっぱり同一人物。つまり二人は、高校で15年ぶりの再会だったわけです。
F中No.1くんは、今、そっち方面を目指して勉強中だそうです。
あいつはすごく頭がいいんよ。と、のんきに語る とある若者。
あのおじいさんのお孫さんなら分かる気がする。と、懐かしむわたし。
途中から脱線して聞き逃した、とある若者の進路の話はどうなったんだろう??まあ、いいか。
あの子がもうそんなに大きくなったんだあぁぁ……という驚き。(自分の子も、なんだから、当たり前ですが。)しかも、今なお、変わらぬ情熱を持っているとは。
F中No.1くん、いつか成長した本物に、会ってみたいな。
不思議なつながり感です。 おしまい。