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花束のしあわせ

40歳を過ぎてから
花束をもらうことが増えた。

若い頃は
それこそ母の日に
子どもたちがくれるカーネーションが
もちろん嬉しいけど
同時にほんとは少し悲しくて。
結局、
母でいることと女でいることが
うまく両立できない30代だった。

いろいろあって
少し女でいてもいいのかなって
そう思うようになったら
花束がやってくるようになった。
子どもたちは女のあたしに
だいぶ傷ついてたと思うけど
仕事と母親業とで
いっぱいいっぱいになっていつも
イライラしてた自分より
恋愛をして泣いたり笑ったりしてる自分の方が
個人的には気に入っている。
おかげで仕事も母親業も
必要最低限でやってるけど
全部は完璧にできないから、
まぁそれで良いとも思っている。

お付き合いする相手も
年齢を重ねて
照れずに花束を持って会いにきてくれるように
なった。
女性が花束をもらうと機嫌良くなることを
知ってる男の人たち、
めんどくさがってりせずに
臆面もなく花束を差し出せる男たち、
そういう彼らに心から感謝している。

年をとると良いこともたくさんある。

明日が来るのが怖いような気持ちになる夜に
届けられる花束はしあわせ。

猫たちに悪戯されないように
キッチンの日が当たる場所に
飾って寝よう。

おやすみなさい。

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