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[新色、できました] 瓦礫色

 博士と助手は、…とうとう、被災地にやってきた。いろいろな色を発見してきたが、何とも言えない気持ちで今、2人は立っている。
「これが、最後の色か…」
「悲しい色だ」
黒とも、灰色とも、白とも言えぬ、焦げ茶とも、茶とも言えない色。これが、『瓦礫色』。
だんだん片付いてきているとはいえ、まだ瓦礫だらけ。助手が泣き出した。
「悲しくて、泣けてきますよ、博士。早く行きましょうよ!」
「ありがとな、助手」
博士はしばらく、眺めていた。

           [新色できました] 終わり


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