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「縦軸RCT」

「パンデミックごっこ」で、皆さんがよく目にするようになったワードの一つが、「RCT(ランダム化比較試験)」でしょう。

科学を学んだ人には、ごく当たり前の調査研究方法ですが、改めてざっくり説明しておきます。
ある「作用」の効果を確かめるために、1つの集団を2つに分け、一方を「介入群」、もう一方を「対照群(未介入)」と設定して、両者にどの程度の差が生じたかを比較する手法です。

ランダム化比較試験、無作為化(比較)試験、RCT - 医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト(医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き)ランダム化比較試験、無作為化(比較)試験、RCTのページです。医学系研究者が研究発表等の情報を、科学的な根拠に基づき正しく発信するためのプロジェクトです。

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例えば、新薬の効能を調べるのに、1000人の集団を500人ずつの2グループに分け、「A群(介入群)」には新薬を投与し、「B群(対照群)」には投与しない(あるいは偽薬を与える)。
その結果、「A群」の治癒率が「B群」を大きく上回るようなら、新薬には効果があったことになります。

このとき、注意しなければならないのは、グループを分けるときに「完全にランダム」でなければいけないという点です。
一方が「男性ばかり」「肥満体ばかり」「喫煙者ばかり」「高齢者ばかり」「基礎疾患のある者ばかり」「低所得者ばかり」などに偏ってしまうと、そうした要素が結果に影響を与え、薬の効果を正しく判定することができなくなります。

人間には「個体差」があり、薬に対する「感受性」が個々に違います。よく効く人もいれば、まったく効かない人もいます。
そうした「個体差」を薄めるには、なるべく多くのサンプルが必要です。分母を大きくすることで分子の影響を抑えようという狙いです。

また、偽薬を与える場合、実験者自身もどれが真薬で、どれが偽薬かわからないようにしなければいけません。
もし実験者が事前に知っていると、そのわずかな言動から被験者が真偽を察知し、心理的影響が生じてしまうことがあるからです。
これを「二重盲検(ダブルブラインド)法」といいます。

RCTは、メタ分析に次いでエビデンスレベルが高いとされていますが、それはあくまでも上記の厳しい条件が満たされた場合です。
実験者が望んだ結論を得たいがために恣意的操作を行ったら(ランダムでない、サンプルが少ない、二重盲検法でないなど)、信用性は著しく損なわれます。

さて、一般的にRCTは、同時並行の「横軸RCT」で行われます。
「横軸RCT」の問題点は、やはり研究者の恣意性が入り込む余地があることです。
研究者も人間である以上、心理的バイアスから逃れることはできません。
特に、多額の研究費用を提供された場合、いくら研究者本人は公平・公正に行っているつもりでも、無意識にスポンサー(パトロン)に気に入られるような結論を導き出そうとしてしまいがちです(あからさまに要求されることもあります)。

もしパトロンの気に入らない結果を得てしまったら、二度と研究費をもらえないおそれがあります。そうした研究結果は、公に発表されることなく、ひっそりと闇に葬られるでしょう(そんな研究、星の数ほどあります)。

大多数の科学者は、研究生活を通じてずっとそう教わってきたせいもあり、同時並行の「横軸RCT」しか頭に浮かばないようです。その発想に、がんじがらめに縛られているのでしょう。
ですが、こと今回の「パンデミックごっこ」に関しては、私は経時的変化を比較する「縦軸RCT」を提唱します。
そのほうが、はるかに正確な結果を得られるからです。

どんなにグループをランダムに選んでも、「偶然」により偏りが生じることは避けられません。たまたま偏ってしまう場合です(年齢・性別で二分したら、「偶然」一方に喫煙者が集まってしまったなど)。
また、何とか調整して「外面的条件」はきれいに二分できたとしても、「偶然」感受性の高い被験者が一方に集まってしまうことも考えられます。感受性の高い低いは、研究を行う前にはわかりません。実際に薬を使ってみなければわからないのです。

こうした「横軸RCT」の限界をクリアするには、「介入群」「対照群」まったく同一であることが理想なのは、おわかりいただけるでしょう。そうすれば、あらゆる「偏り」が排除されるからです。なおかつ、サンプル数はとにかく多いほうがいい。

「マスクの効果」については、そんな夢のようなデータが存在します。
それこそが、私の考える「縦軸RCT法」です。

サンプル数は、これ以上は集められない「80億」の全人類。
これを「マスク着用」が義務付けられた時点を「ゼロ地点」とし、それ以降を「介入群」、それ以前を「対照群」と捉えるのです。
これなら、両群の被験者はまったく「同一」ですから、個体差の生じようがありません。
しかも、「感染者数(PCR検査陽性者数)」はオープンデータになっていますから、誰でも容易に入手できますし、パトロンの意向も(「介入群」でも「対照群」でも同様に働くため)相殺されます。

ゼロ地点を境に、急激にグラフが下降するようなら「マスク効果あり」となります。グラフの傾きが変わらなければ「マスク効果なし」と一目でわかります。これは、疑義が生じかねない「横軸RCT」より、はるかに信頼性の高いデータです。


その結果は、皆さんご存じのとおり

まるで変わらない

でした。
その後も、さらに太鼓判を押すように、マスク着用率にはまったく変化がないのに第○波が繰り返し押し寄せ、そのたびに「感染者」は激しい増減を繰り返しました。
これを見れば、コクランの「よくわからない」とした結論すらも実は大間違いで、どうこねくり回しても、

マスクには何の効果もない

という確定結論以外は得られないのです。
これはもはや「絶対真理」以外の何物でもなく、みじんの疑いを挟む余地すらありません。
ノーベル賞学者が何人そろって反対しても、未来永劫決して揺らぐことはありません。

なので、もし実験室で正反対の結果(マスク効果あり)が得られたとしたら、それは「真理」に反するものとなり、実験の設計にミスがあったか、研究者の願望が混じっているか、都合のいいデータだけを抜き出しただけの「クズ研究」「E-(マイナス)」の烙印が押されます。

これだけ説明しても、意地でも「マスクには効果がある」と言い張るなら、それは「科学」ではなく「信仰」の問題です。
「信仰」の前では、どんな科学的データも意味を持ちません。どうぞ気が済むまでマスクを着け続けてください。

ただし、他人に自分の「信仰(マスク教)」を押しつけることは、ましてや知識のない子どもたちに強制することは、絶対にしてはいけません。
それが「人の道に反する行い」であることは、多くの新興宗教団体を見れば、よくわかるでしょう。




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