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平成の阿久悠

山田亮一が帰ってくる。
それだけで来年に価値があるよなって思う。
1番好きな曲は「幸福のしっぽ」
昔自分のことが嫌い過ぎた時に自分は人間でいる価値もない存在だと思い込んでいた。
そんな時に聴いたこの曲の歌詞が心に残った。

また転んだ
日々が行く
なんで僕だけと呟く
運命って言葉が浮かぶ
手も足も出せずに笑う
いつも

伝えられないことばかりが
性懲りもなく溢れ出す
駄作は全部置いてくから
死にたくなったら歌えよ

地下鉄の窓越しに
いつかのあの娘に似た人
愛していたような
不安の捌け口にしていたような

それでもまだ人間でいたくて
明日もまた同じ場所へ同じ手段で行く
それでもまだ人間でいたくて
彼らの理不尽さも品性の無さも受け入れてかなきゃ

晴れでもない代わりに雨でもない日の昼間に
喜びもない代わりに悲しみもない日の昼間に
ランチを相席した気立ての良いお婆さんに
名前を聞かれ思わず出鱈目な偽名を名乗ってしまった

あくまでただの人間であって
ごめんよもう自分でなんていたくもなくなったよ
さよならもう夢でさえ会えないあなた
伝えられなかったまま行間の中で腐敗する愛

ようやく掴んだ幸福のしっぽ
もう離すもんか幸福のしっぽ
お前が逃げるせいで散々な目にあった
思えばお前のせいで信用なくした
近づいていたつもりが
高速ですれ違っていただけ

それでもまだ人間でいたくて
明日もまた同じ場所へ同じ手段で行く
誰もがまだ人間でいたくて
見えないことにした
からくりも種も仕掛けも
明日どれだけ面倒でも
部屋の掃除をきちんとするよ
たまった洗濯物も干して
あなたを思って言葉を書くよ
暮らしがどれだけみすぼらしくて
維持するだけで目が回っても
ただ受け容れるだけの掃除機と
回り続ける洗濯機のように

好きな歌など聴けなくても
会いたい人には会えなくても
行きたい場所には行けなくても
黙って全てを受け容れるから

そしたらまだ
人間でいられるんかなぁ?
母さん ねぇ母さん

ハヌマーン「幸福のしっぽ」

もう色んな捉え方ができる曲だとは思うけれどこの曲を好きな人のことは無条件で好きだと思う。
人間でいないと生きづらい世の中で人間でない自分が人間らしく振るまったりする。ほんとは最初からどうしようもないくらい人間なのにね。
この曲に救いは無いけれど救われた人はいるだろうな。自分らしくいたいけど自分らしくいることが苦しいこともあるって他のどの曲が教えてくれてるだろうか。
付き合ってた人にこの曲を聴かなくてもいいよって言って勧めたことがある。結局聴いてくれたのか覚えてないな。
今はここまで捻くれたことは考えなくなったから人間でいるつもりです。(そりゃそうだ
部屋の掃除もきちんとするよ。

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