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自衛隊採用率という変なニュース

今日、昼のTBSのニュースで見たこと。
2023年度の自衛隊の採用計画に対する充足率が51%と、過去最低だったという内容です。

もちろん、自衛隊員の定員に対する充足率の低さは危機的な状況ですが、それを「自衛隊採用率51%」と言っていたのには驚きました。

採用率とは、応募者のうち、何人が採用されたかを示す指標です。
100人の応募者に対して30人採用されれば、採用率は30%となります。

これは単純に入社の難易度を現わすものではありません。当然、応募者の中には辞退者がいるわけで、それは各段階(エントリー・応募・面接・内定)での辞退率を勘案すべきものであって、採用担当者が、自社の採用の傾向を把握してはじめて意味のある指標です。

まあ、というわけで、自衛隊採用率というのは、明らかな誤用なわけですが、ざっと調べた範囲でも、朝日新聞、産経新聞、日テレ、北海道新聞、TBSが同じ表現を使っています。
時事通信とNHKは、計画の51%、と正しい表現を使っていました。

まあ、そんなにめくじら立てることでもないかと思うのですが、なんだかすごく気持ちの悪い誤用です。
これでは、自衛隊は応募者二人に一人を採用しているかのように聞こえます。

実際には、応募者が少なくても合格の基準を下げられないので、このような充足率になっているのは間違いありません。航空自衛隊の採用率は、2~3%と言いますし。

採用関連の誤用と言えば、「応募する」ことを「募集する」という人がすごく多いのはなぜでしょうか?
ついうっかり言い間違えやすい言葉なのかな?

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