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お金をジャラジャラ

ジプロックの中には沢山の小銭を入れたままにしたヒメが「ねぇ、カールどげんしよ」
彼女は子供の頃から頭のいい子だった。口数は少なくて顔は控えめな色の白いほっぺたがポッと赤みをおびた、今思えば上目遣いの女の子だった。
お金廻りがいいかなど考えたこともなかったが、先週彼女の嫁ぎ先の横にはこの町屈指の医者が住んでいることに気づいた。えっ、まさかダンナはあの先生の兄弟??
卒業後銀行に勤めたことは知っていた。この前見た時は農協のレジの横に座ってニコニコしていた。
えっまさかヒメは金の亡者??
もう半世紀過ぎた私には到底なれないか、金の亡者だったのか。
それって生まれて間もなく小さい子供の頃から植え付けられた環境に左右されるわけね。
親の教育ならぬ親のシツケならぬ親のささやかなご褒美だったのかもしれない。
でもやっぱ私には自由が一番いい。

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