HJの本質

学部時代に主に取り組んでいた平方剰余の相互法則(以下HJとする)について語ります。

この投稿で使われている画像はこのサイトのものになります。

HJを考えるための前提がこちら

上の文は何をいっているかというと、整数を2乗したものをpで割ったとき、aになるようなものがありますか?ありませんか?ということだけです。
例えば、mod3で考えてみましょう。全ての整数を3で割ると、あまりは0,1,2の三種類しかありません。(つまりmod3の世界では、無限個の数たちをこの三種類(有限個)の数として見なすことができます。これこそmodを考える理由の一つと言えます。)次に0,1,2をそれぞれ二乗します。すると0,1,4となりますが、4はmod3の世界では、1になりますから0,1,1となります。
ここまでをまとめると、整数を二乗して3で割ったあまりは0と1しか登場しない。つまり、太字の質問に対する回答としては、0と1になるようなものはありますが、2になるようなものはありません、となります。

ここまで理解できたらHJについてもなんとなくはわかるはずです。

実際に、上の式に自分の好きな素数(2以外)を代入してみてください。
私は、p=13,q=7を代入してみました。

くどいと思いますが、(7/13)というのはmod13で整数を二乗したとき、その中に7はいますか、という意味です。この(7/13)の値がわかると当然、(13/7)の値もわかります。この事実こそがHJの本質的なところだと感じています。

ここまで読んでも、HJの何がすごいのかさっぱりわからないという方がほとんどだと思います。。私もある数学者の方の言葉を知るまでは、意味とか本質を考えようともしませんでした。その言葉を最後に紹介し、終わりにしたいと思います。(本文に意味が合うようにアレンジしています)
「mod13の世界で7が出てくることとmod7の世界で13(6)が出てくることは、関係のないことのように思うが、それがHJによって結びついてしまうのは不思議なことである。13太君の心に映る7子さんの姿(7/13)と7子さんの心に映る13太君の姿(13/7)が関係しあっているのです。人間の世界では、二人の心に映る相手の姿は、お互いに無関係のことが多いようですが、素数たちはお互い深くわかり合っているのでしょう。」

数字を人に置き換えて考えることはなかなか難しいことですが、HJでは上手くはまっています。私(松井)の心の中に映っているあなたと、あなたの心に映っている私は何か関係があるのでしょうか、気になりますね。



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