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一軍女子は元不良に恋をした。#3

??)ねぇ、??は将来どうすの?

??)オレ?オレは……なんも決まってねぇけど、??の隣に居ればそれでいいかな〜

??)え〜なによそれ笑笑

目の前に見える1組のカップル

何処か懐かしいようで……思い出せない不思議な記憶

自宅

○○)………変な夢だったな、でもなんで心が温まってるんだろ。

○○)傍に居れば………って、誰かに言ったようで言ってないようで。

○○)まぁ、いいや。

教室

美月)あっ、おはよう桐生君!!

○○)おはよう山下さん

美波)桐生君おはよ

○○)梅澤さんもおはよ

美波)そう言えばそろそろ自然合宿だね

美月)えぇ〜?もう私あれやりたくないんだけど〜

○○)自然合宿?

龍英)うちの高校の伝統行事、1泊2日の自然体験みたいなやつだ

美波)龍英おはよ

龍英)おう

○○)自然体験………(山ん中でサバイバルでもすんのか?)

美月)日焼け止めと虫刺されのスプレー買わなきゃ

祐希)祐希はご飯‼️

龍英)はいはいご飯ね〜

麻衣)はいみんな席について〜‼️今年の自然合宿について説明するから

龍英)まいやん、前回も山ん中だったけど今年も?

麻衣)その事なんだけど、今年は自然合宿が中止になるかもしれないの

美月)中止って?

麻衣)それがね〜、行先の山にね熊が徘徊してたり……”不良グループが山ごと縄張りにしてるらしいのよ”

○○)縄張り……(山を縄張りにするヤツら……あ〜アイツらか)

美波)不良グループって?

麻衣・○○)”フォレストビーツ”

龍英)桐生?

麻衣)ん?知ってるのかしら○○君

○○)あっ、いえ‼️前住んでた所でも聴いた名前だったので‼️(フォレストビーツ、アイツらこっちまで侵食してんのか)

美月)桐生君?(またあの時の怖い顔………)

麻衣)まぁいいわ、それでそのフォレストビーツっていう不良グループが立ち退かない限り中止は確定するわ

クラス)マジかよ〜

○○)(めんどくせぇけど、お灸据えとくか)

昼休み

美月)ねぇ桐生君

○○)はい、なんですか?

美月)先生が言ってたフォレストビーツってやつ?に会いにいくんでしょ?

○○)行きませんよ笑(コイツ、なんで分かんだよ)

美波)どうしたのやま

美月)いや、桐生君がもしかしたらさっき言ってたグループに会いに行くんじゃないかなって

美波)やまにしては珍しく心配してるね

○○)会い行きませんってば笑(マジでなんなんだ?)

龍英)山下………心配してるってことはなんかあんのか?

美月)なんかってなによ?

龍英)例えば………桐生に好意を持ってるとか?

美月)ばっ…………そそ、そんなわけないでしょ‼️

美波)(あっ、図星だなこれ)

○○)(こうい?なんか遊ぶんか?)

美月)わ、私はただ…………その、友達として心配してだけよ‼️

○○)友達………(聞いたことある言葉)

”私たちもう友達でしょ?”


○○)(………なんか心が寂しい、すごく冷たい。)

祐希)桐生君、なんで泣いてると?

○○)へ?なに言って………

その時、自然と手の甲に1粒の涙が落ちた

○○)あ、あれ?なんで泣いてるんだろ………

龍英)おいおい大丈夫か?

○○)うん、大丈夫。

美月)(桐生君………)

放課後

龍英)おーい、桐生〜‼️

○○)な、なに?

龍英)このあと、暇か?

○○)(アイツらに会わなきゃいけねぇけど……)特にないですけど……

龍英)おっ、マジ?じゃあみんなとカラオケ行こうぜ‼️

○○)あ、はい‼️(からおけ?変な響きだな)

美波)龍英〜?誘えたの〜?

龍英)おう‼️今行く〜‼️行こうぜ桐生

○○)あ、うん!!(普通に生きるためにも体験しなきゃな)

カラオケ

龍英)んで、最初誰歌うよ?

美波)龍英でいいでしょもう

美月)だね笑

龍英)はぁ〜?そこは桐生とかねぇのかよ

史緒里)桐生君、カラオケ初めてだと思うし

○○)ありがとう久保さん(ここがカラオケ………知らんと言いたいけど、なんか知ってる気がする……これも知らない記憶か)

龍英)なぁ〜助けてくれよ桐生〜

○○)え、えっと………(多分、知らねぇ記憶でも俺が一番だったような気がする…)

美波)ほーら、桐生君困ってんじゃん

○○)ぼ、僕で良かったら歌いますよ

龍英)おぉ〜恩に着るよ心の友よ〜‼️

美月)龍英、アンタ後でアイス奢りね

俺はタブレットを持って曲を選んだ

俺が選んだのは「空扉」、不明な記憶なはずなのにふいにその曲を選んだ

美波)あっ、この曲空扉じゃん

史緒里)桐生君、いいセンスしてるんだ

俺はマイクを持って歌い始めた

今の俺は普通の人間、不良だったころ1部の記憶………きっと大切な思い出、なのに思い出せない。

でも、この曲を歌ってる時はふいに思い出す

”私、○○の歌う声好きだよ”


”○○、歌上手いじゃん‼️”


”じゃあ、??も歌おっかな〜”


やっぱり今の俺には名前さえも思い出せない

懐かしい知らない記憶、俺にとっては大切な記憶

俺が普通に生きようと思ったのは、この知らない記憶を思い出す為にあった

○○)ふぅ………

美月)桐生君、歌上手いんだね‼️

龍英)俺より歌上手いとかチートだろ……

美波)凄いじゃん‼️

○○)そ、そうかな?

祐希)祐希、感動したよ!!

龍英)なに感動してんだよ笑

○○)ありがとう西島君、誘ってくれて

龍英)桐生まで何言ってんだよ笑

美波)それじゃあ次、私歌おっかな〜

○○)あっ、飲み物持ってきますね!!

美月)私も手伝うよ

ドリンクバー

○○)ありがとう山下さん、手伝ってもらって

美月)別に気にしないで、それより桐生君ずっと敬語使ってるけど疲れない?

○○)え?

俺はふいにそう言った

普通とは敬語で話すもんだと思ってたから

美月)私達、まだそんなに経ってないけど仲良いと思うんだよね?

○○)………な、なるべくタメ口で喋りますね💦

美月)ふふっ、やっぱり桐生君面白いや笑

美月)私、桐生君みたいな人結構すきなんだよねぇ〜

○○)そ、そうですか😊(なんかすげぇ心臓がモヤッとしたんだが……)



続く

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