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若い向日葵

「向日葵」の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことによる。ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけである。

Wikipedia出典

「いってきます!」
「いってらっしゃい、気をつけていくんだよ」

毎朝8時15分、朝塾を終えた中学3年生3人を塾から送り出す。
生徒たちの通う中学校は塾の目の前だ。生徒たちは朝日に向かって歩いていく。

私は、その生徒たちが通う中学校で3月まで教師だった。
昨年の夏、学校正門前にある小さな学習塾だった物件が空きになったことに気がついた。
その瞬間、私はそこで塾を開こうと決心した。

そして、今年4月、不登校生徒学習支援対応『ほわスタ塾』を開いた。

38年間の教師時代を振り返ると、私はその集団の中では異質だったのだと思う。
以前、自分より若い生活指導教師から「あなたの考えは間違っている。もしあなたの考えを実現したければ、自分で学校をつくるしかない。」と言われた。その学校の先生たちと上手くいかず他の中学校へ異動した。

現在、多くの中学校は生活指導的に落ち着いている。しかし、不登校生徒は増加傾向にある。教師の仕事は多忙で、担任は不登校生徒まで手が回らない。
最近は「無理して学校に来ることはない」という考えのためか、学校側も積極的に登校を促すことも少なくなった。そのため不登校生徒と学校の心の関係も遠くなってしまった。

『勉強を通して学ぶ、人(社会)との関わり』

不登校についての保護者からの問い合わせは多い。しかし、生徒が定期的に通塾できるケースはまだ少ない。私は伝えたい「ゆっくりで大丈夫、自分のペースで大丈夫」

私の「小さな学校」に通ってくるのは不登校の生徒ばかりではない。真面目に一生懸命勉強しても結果がついてこないと悩む生徒、学校やクラスに居場所がないと悩む生徒、進路相談に来る卒業生、教育相談や高校受験相談にくる保護者。

私は、成長が盛んな「若い向日葵」に優しく温かい光を照らす「お日さま」でありたい。

私の「小さな学校」は、今日も「お日さま」が昇ると始まり「お日さま」が沈むと一日が終わる。