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液体燃料ロケットとは?

液体燃料ロケットエンジンは、液体の燃料と酸化剤を燃焼室で燃焼させて、高速で排気することで推進力を得る装置です。


基本的な原理は燃焼ガスを高速で後方に排出することで、逆の方向(前方)への推進力が生まれます。


主な部分として、燃料タンク、酸化剤タンク、燃焼室、ノズルなどがあります。燃料と酸化剤はポンプを用いて燃焼室に送られ、点火装置によって燃焼が開始されます。燃焼ガスはノズルを通過することで高速化され、ロケットの推進力となります。


このエンジンの特長は、燃料と酸化剤の混合比や供給量を調整することで、推進力の制御が可能であることです。  

液体燃料ロケットエンジンで使われる燃料や酸化剤にはさまざまな種類があります。 

以下は代表的なものをいくつか挙げたものです:


1. 燃料

   - RP-1: 石油由来の燃料で、ケロシンに似ています。特にサターンVロケットの第一段やファルコン9のエンジンで使用されます。

   - 液体水素 (LH2): 極めて低い温度で液化された水素。非常に高いエネルギーを持つ燃料で、スペースシャトルのメインエンジンやサターンVロケットの第二、第三段で使用されています。

   - UDMH (不飽和ジメチルヒドラジン) や MMH (モノメチルヒドラジン): これらはヒドラジン派生の燃料で、特にロシアのロケットや一部の衛星の推進剤として使われています。


2. 酸化剤

   - 液体酸素 (LOX): 最も一般的な酸化剤で、RP-1や液体水素と組み合わせて使用されます。

   - 窒化水素 (N2O4): UDMHやMMHと組み合わせて使用されることが多い酸化剤です。

   - 液体フッ素: かつて研究が行われていたが、非常に反応性が高く危険なため、実際の宇宙ミッションでの使用は限定的でした。


これらの燃料や酸化剤の選択は、ミッションの要件、性能、コスト、取り扱いの容易さなどの要因に基づいて行われます。


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