見出し画像

あれから5年 今できること

突如来た地震

 2018年9月6日午前3時7分。5年前の今日、北海道中が激しい揺れに襲われた。胆振東部地震。土砂崩れ等の関連を含め、死者44人、けが785人の大きな地震であった。北海道で史上初めて震度7を計測した地震でもあった。
 「あの地震」から早5年。私は、当時高校1年生であり、発生当時は部屋で寝ていた。感じたことのないような揺れで、思わず飛び起きた。私の住んでいた札幌は、大きな被害を受けることはなかったが、周辺で道路の陥没、液状化といった被害があった。しかし、それ以上に心配だったのが祖父母の安否だった。発生当時震源地に近い場所に住んでおり、私の住んでいた地域に比べ、大きな被害を受けた。何回電話しても、応答が無かった。「ダメか…」と思ったが、午後になって連絡が来た。「命は無事だ!」祖父の声だった。この声を聞き、安堵した。
 そして、この地震で何よりも生活の影響が出たのが、北海道全域での停電、いわゆるブラックアウトである。夜中突然停電し、信号機もつかず、コンビニやスーパーに行けば、冷凍食品や弁当、アイスクリームなどが販売できず、どこに行っても行列が発生。暗闇の中、保存食やトイレットペーパー等を買い求めた。家にいても、外どこ行っても真っ暗。電気のない生活は、あの時が初めてだった。北海道が暗闇に包まれた一日であった。昼あたりから、電気徐々に復旧していったが、地震発生から1日かかった地域や、2日後にようやく復旧した場所もあったそう。
 私は、懐中電灯やスマホを常に携帯し、すぐに近くのコンビニやスーパーへ食料の補給をしに行ったり、水を汲んだりなど、身を守る行動をとっていた。

地震から学習できること

 「あの地震」から5年。今こそ、「命」との向き合い方を考えるべきだろう。直近でも、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の大阪北部地震など大きな地震が多発している。また、地震に限らず新型コロナウイルスの発生で、衛生面においても考え方が非常に変わった。手洗いうがいやマスクの着用などでも、人の命が助かる。地震に話を戻すと、頭を守る、ガラスから離れる、避難所の事前の確認など、何事にも準備が大切だ。
 そして最後に、「命」について。これから、大きな地震が1分後に来るかもしれないし、何十年後かもしれない。地震でなくても、火事や交通事故が突然やってくるかもしれない。終わりが分からない。だからこそ、今生きていることに感謝しなければならない。今こうやって勉強したり、好きなことを打ち込めたり、旅ができたりしているのも、当たり前ではない。もう一度、「生きる」ことに感謝することと、意味について考える機会を見直すべきだろう。そして何より、あの時の祖父の「命は無事だ!」という電話の声が未だに忘れられない。あれから祖父は、私が大学入学直前にこの世を去った。生きる大切さを知った。その言葉を忘れずに、今日も生きていきたい。

「生きていること」が当たり前ではないことを





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?