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詩育日誌 24.08.03 ペンギンの袖

魚をエサにしている
欲ばりな鳥が
水のなかで続編を生きることにした

― ボクは魚そのものになる。

海へ歩くその過程でペンギンに寄り道したら
羽が進化して
結婚式のえんび服になった

(地上とくに水辺では「個別性の密度」が高まり「求愛行為の劇場化」が急速に進む。

― 何でもできると何にもできないは同じこと?

空を飛ぶことをあきらめた
小さい潜水者の
ためらいはいつも袖からこぼれる

(注)一九八七年、世界最小のペンギンが、ニュージーランドの二四〇〇万年前の地層から化石で発見された。「パクディプテス(=小さい潜水者)」と名づけられた。「新生代漸新生に地球の気候変動で他生物との生存競争が激化し、小型種も現れたとみられる」(朝日新聞、二〇二四年八月一日)。岡山理科大学やオタゴ大学の研究チームはCTスキャンを用いて骨の内部も調査し、現生種と古代種の両方の特徴を持つ新種であると結論づけた。

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