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新NISA〜人気のオルカン、成長投資枠、そして設定の面倒くささ

『貯蓄から投資へ』のスローガンを掲げて始まった新NISA。

世間の関心は高く、今まで「投資なんて考えてない」と言っていた人たちも『オルカン』『S&P500』と言っている。

横並びが大好きな日本人は「みんながやっているなら私も」とこれからも新規参入してくる人が増えそうな状況だ。

新NISAスタート前には、日本円の現預金1000兆円のうち1%、10兆円が株式市場に流れれば、日本の株式市場は活性化すると期待する声も上がっていたが、蓋を開けてみると、2024年1月、投資信託に新しく入ったお金はオールカントリー(オルカン)とS&P500で80%以上だったとのこと。

日本株の上昇は外国人投資家の買い越しが原因だった。

個人投資家の資金が外国株に流れることとなり、円売りドル買いのキャピタルフライトを招き、今後円安基調が続く要因の一つになりかねない状況になっている。


オルカンの資産配分

新規参入者のほとんどは、つみたて投資枠で月数万円づつ、オールカントリー(オルカン)やS&P500に長期投資するスタイルだと思う。

オルカンが選ばれているのは、全世界株式に分散投資できるためだと思われるが、実はオルカンの資産配分は6割が米国、2割が先進国、1割が新興国、1割がその他で、米国100%のS&P500との組み合わせだと、かなり米国に偏ったポートフォリオとなる。

それでも、今まで資産の全てを円で所有していた人にとっては、ドル資産が増えることで通貨の分散ができることになるし、手数料が安く、人気が高いオルカンの総資産額は2.5兆円なので安心感は高い。

投資初心者にとっては非常に良い選択であることは間違いないと思う。


成長投資枠の使い方

オルカンとS&P500ならつみたて投資枠だけで良さそうだが、新NISAからつみたて投資枠と成長投資枠が併用できるようになった。
成長投資枠はどんな使い方ができるのだろうか。

まずはお金がたくさんある人で、月々10万円以上積み立てたい場合は、つみたて投資枠と同じ投資信託をあと月20万円ずつ成長投資枠で積み立てる事はできる。
これをやると月30万円・年間360万円積み立てることになるので、5年でNISAの上限1800万円の枠が全て埋まる。
このまま放置すれば将来が楽しみだろう。

次はリスク分散のため資産クラスを分散。
成長投資枠で債券・REIT・ゴールドなど、特に購入したい銘柄を選んで買うことができる。ランキングを見れば色々あって目移りしてしまう。

そういえば、つみたて投資枠にも入っているが、新興国の中でインドのファンドが人気だ。
資産だけではなく、カントリーでのリスク分散も良いだろう。

でもあれこれたくさん買うと管理が大変になる。

もしこだわりが無いのなら、バランス型のインデックス1本にしたほうがわかりやすいかも。
信託報酬が高く設定されていることが多いので、確認して低いものを選ぶ。

ちなみに最近は金の価格が上がっており、中国やロシアなどの中央銀行が金の保有をハイペースで進めているため、ゴールドは面白いのではないかと感じている。

成長投資枠は株式やETF(外国株式・外国ETFも)が購入できることがつみたて投資枠との大きな違いだが、注意点がある。

誰でも株を買うときは値上がりを想定する。 
NISAは利益に対して非課税ということでとても魅力的だ。
値上がり益は通常20%の税金がかかるが、それが無く全て自分のものになる。

でも残念ながら株式は大きく値下がりしてしまうこともある。
プロは簡単に損切りするが、一般の人はなかなか決断ができない間に下がり続け、塩漬けになってしまうこともある。

旧NISAだと5年間でロールオーバーしなければ特定口座に移管されてしまっていたが、新NISAでは期間が恒久化したため塩漬けのままにしておくことも可能だ。

しかし売却すればその分の枠が復活するので、NISAでの塩漬けは勿体無い。

損失を出してしまった場合、特定口座なら他の利益や配当と損益通算ができるが、NISAの場合は損益通算ができないので、ただの損失となってしまうことが注意点だ。

源泉徴収選択の特定口座なら、口座内で利益と損失を勝手に損益通算してくれて、一年分まとめて計算し、利益に対して源泉徴収された税金のうち払い過ぎた分を翌年初めに還付してもらえる。

やはりNISAは長期投資に向いている。
株式も長期保有を前提に、下がっても問題ない範囲で買うべきだと思う。

株式の売り買いを頻繁にするのなら、特定口座を使う方が良さそうだ。

もう一つの注意点は外国株式や外国ETFをNISAで購入した場合。     

外国で源泉徴収された税金は、確定申告することによって外国税額控除という形で戻ってくるが、これは国内での税金との二重課税を防止するためのものだ。

NISAは国内が非課税となるため、二重課税にならず、外国税額控除はできない
ということになる。

設定が面倒だけど

NISAは一度設定してしまえば後は自動で投資し続けられるが、設定するのに手間暇がかかり面倒という人が多い。

わかる!
私も正直なところ今回かなり迷った。
いろいろ選べるようになったのはいいんだけど、どれにしようか悩んでしまう。
レストランでメニューがたくさんあり過ぎて決められない時に似てる。
月いくらずつにするかとか、何割づつにするとか。。。

でもここで心を折らないでほしい。

証券会社が発表した投資の成績が一番良かった人の属性は、1位が「亡くなっている人」2位が「運用しているのを忘れている人」だそうだ。

つまり『ほったらかし投資』が一番儲かるということだ。

設定は面倒だが、1日だけ頑張ってあとは忘れてしまっても良い。
少額からでもとにかく始めることが大切。

その後株式市場の暴落などあっても、そのまま淡々と投資を続ければ、将来家計の土台となる資産が形成されるはずである。

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