ゴローの死に際『贖罪』 #フォロワーステラナイツ0123

何処かもわからないような裏路地に一匹の茶色に薄汚れた毛むくじゃらがよろよろと歩いていた。
手で抑えている箇所からは血のようなものが零れ落ち、痛むのか小さいうめき声をあげた後、路地に倒れ込む。
土埃が舞い上がり、彼女に丁寧に毛づくろいされ純白だった毛がさらに薄汚れる。倒れ込んだ先には割れた鏡があり薄汚れた獣を映した。

「……上等な姿だ。俺には……ぴったりだ」

少しだけ笑う。抑えていた傷口が開き血と痛みが走り視界がぼやける。
大立ち回りをした。
彼女の取り巻く関係を調べ上げ弟であるひかりくんも見つけ色々とあったが取り戻す事ができた。
フェアリーオーダー側もこれまでの戦いで知り合った人達との協力を得て俺の死は巧妙に偽装される。
きっと上手くやってくれるはずだ。オーダー側も彼女を追わないだろう。

罪人には悪くない最後だ。後は上手いこと行けば彼女は悲しまずに、そしてこれから先戦わずに済む
「それと弟とも仲良くな。死んじまった人はしょうがないけどさ。それでもたった一人の家族なんだ」
「だから……仲良く___な」

ゴロリと鏡から目を背け空を見上げる、昼のはずなのに真っ暗だ。家族と離れ離れになった時と同じだ。
あの時は目の前が真っ暗になって気がつけば俺だけが生き残った。

もう何も見えないけど、俺。きらめく世界にできたかな……
約束、守れたかな。守れたよな


さくら__幸せになってくれ__

お前は。今日からお前は、ふつうの______________

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