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『宝島』 真藤 順丈 著
STORY
しのびこんだ米軍基地で突然の銃撃。混乱の中、故郷(シマ)いちばんの英雄が消えた。英雄の帰還を待ち望みながら沖縄(ふるさと)を取り戻すために立ち上がる、グスク、ヤマコ、レイ。長じて警官となり、教師となり、テロリストとなった幼馴染たちは、米軍統治下の時代のうねりに抗い、したたかに生き抜こうとする。
戦後すぐの沖縄の話。
米軍基地からの窃盗行為をしていた人たちがいた。
そんな人たちは「戦果アギヤー」と呼ばれていた。
「戦果を挙げる者」という意味で彼らは誇りを持っていた。
そんな戦果アギヤーの中でもカリスマリーダーだったオンちゃんが軍事基地「キャンプ・カデナ」に忍び込んだ夜、突如として行方不明になる。
序盤はこの行方不明になる「キャンプ・カデナ」の潜入シーンで始まる。
オンちゃんはこの事件の後、仲間に探されるが病院にも警察にも居ない。そして、死体も見つかっていない。完全にどこに行ったのか分からない。
月日は流れるも幼馴染たちはオンちゃんを探すことを心の片隅に置きながら生活をする。警官になったグスク。教師になったヤマコ。テロリストになるレイ。
探す中で明らかになっていく新たな謎。
ミステリとして面白い。さらに幼馴染の成長から葛藤や苦悩。
物語を通して訴えてくる不条理。
戦後の沖縄の治安は最悪。
女性を殺しても事実をあやふやにされ米兵を捕まえることはできない。恐怖でしかないし、そこに正義はない。
そんな中でどう生きればいいのか? どう生きれば正解なのか?
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