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『赤と青とエスキース』青山 美智子 著

ストーリー
メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。
日本に渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

amazonより

章ごとに話の視点が変わりながらも1枚の絵画(エスキース)の周辺の話になっていて、この絵画の周りで起こる優しいさ溢れる物語。
人の優しさや純粋さが気持ちよく何度も泣きそうになる。

特に3章のトマトジュースとバタフライピーは泣けた。
この章は他の章のように絵画が軸にある感じはしないが、やはりそこにあり優しい話が展開される。
不器用な漫画家と不器用な漫画家が一緒にインタビューを受ける。
だが元々、師弟関係にありながら弟子の方が有名な漫画家に成長している段階。

大切なものは何なのか、見てくれている人は見てくれている。
そんなふうに感じて、自分も頑張らなきゃなとやる気が湧いてくる。

全ての章が現実には起きないような思いやりに満ちた物語ではあるが、こんな世界に生きたいし、こんな物語が読めるのはとても素晴らしいことだと感じた。

※人に利用されやすい人は要注意かもしれない。

2022年本屋大賞 第2位

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