『俺ではない炎上』朝倉 秋成 著
自分の身に覚えのないことでネットで炎上、しかも殺人犯にされている。根拠もないうちから会社の同僚や友人、家族にも疑われる。
助けを求めて会社の同僚に相談しても「正直、やったんじゃないか。と思っています。」みたいな反応。友人だと思っていた人も、家族も味方にはなってはくれない。
この描写がリアルすぎて本当に恐ろしくなる。
さらに、警察でも山縣が犯人だと思われるような証拠が発見され警察も山縣を追い始める。
隠れながら逃亡するが警察から身を隠し、さらにネットニュースを見たユーチューバーなどが正義の制裁として山縣を探し暴行しようとしている。追い詰められた山縣の心理描写も息を呑む。
常にハラハラする展開に読むのを止めるのが難しくなる小説だった。
ネットで無責任に発言される言葉の怖さ。
日頃の行い、勘違いしていた自分像がもたらす誰も信用してくれない孤独。これを読み終わって自分を省みようと思った。
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