見出し画像

『メインテーマは殺人』 アンソニー・ホロヴィッツ 著

ストーリー
自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は自分が殺されると知っていたのか?作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、ドラマ『インジャスティス』の脚本執筆で知り合ったホーソーンという元刑事から連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかというのだ。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに…。

amazonより


初めてアンソニー・ホロヴィッツを読んだ。
感想としては設定に驚いた。こんな書き方でのフィクションは初めてでノンフィクションなのかと何度も思いながら読んでいた。

元刑事ホーソーンのキャラも天才がゆえに説明不足でイラっとさせる感じも「ホーソーンにはなんで分かったんだ?」と考えさせられる。
そこが考察時間を与えられている感じがして個人的には良かった。

ノンフィクションだと思わせる要因として、事件とは関係ない会話や話が出てくるのもリアリティーを感じてしまう。ホーソーンの序盤のセリフに「何が必要な情報は分からない」ってのもあり、すべてが何かのヒントになるんじゃないかとそんな情報過多の状態で推理するような構図になっている。必要な情報を精査しながらする推理はもしかしたら、本当の事件でもあることなんじゃないか?と思う。

序盤から物語に入り込んでどんどん読み進めていきたくなる。
犯人が判明するところでも、何が起きたのか驚かされる。


現実に事故の真相はテレビや新聞では分からない。今で言うとネットニュースでもSNSでも正しいことは分からない。それなのに少ない情報から各自が勝手に判断して意見をネットに発信している。これによって誤解であったり誤解まで言わないにしても受ける印象が違うこともあると思う。

恨みは、恨んだ方も恨まれた方も幸せにはしてくれないんだな。と聞き古されたようなことを感じた。許せるなら本当に許したほうがお互いにとって良いと思うが、それができない(難しい)ことも真実だと思う。
それでも許す努力や意識は持ちたいと感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?