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『川のほとりに立つ者は』 寺地 はるな 著
STORY
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけがことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることになるー。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
これほど優しく丁寧にバイアスを描いた物語は初めて読んだ。
読後、自分も押し付けではない優しい人間になりたいと思わせてくれる。
人はどれだけ、ちゃんと人を見ているのか?
バランスの悪い字を見て丁寧に書いてないと思い込んだり。
何度言っても言うことを聞かない人を出来ない人と思い込んだり。
話を聞いてくれない人を聞く気がないんだと思い込んだり。
一面だけを見たり思い込んだりして、その人の本質を知った気になっている。
なぜ真剣に生きていないと決めつけるのか?
隠し事をされると自分だけに聞かれたくないことなんだと思ってしまうのか?
なぜ信じることが難しいのか?
これを読むと何も知らない人のことは何も言えないし、言うべきではないと気付かされる。
知っていると思っている人も、どうしてあんなことを言ったのか?どうしてあんなことをしたのか?勝手に想像して腹を立てたりするのは被害妄想に近い。
決めつけではなく見れる自分を持ちたい。
生きてきた環境で人は変わる。
いい人でいられるってことは、もしかしたら環境に恵まれていただけなのかもしれない。
最後には希望の見える終わり方なのも良い。
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