現実

私はどこにでもいる、ごく普通のサラリーマンだ。今日も残業があり、夜遅くまで職場にいた。仕事が終わりへとへとになりながら自宅への帰る途中だった。楽しそうにお話しながら帰る親子、手を繋いで幸せそうなカップル、仲間と楽しそうに飲みに行ってる自分となんの代わりもないサラリーマン。
虚しくなる。幸せってなんだろう。僕はなんで遅くまで仕事をしているのだろう。
信号機を待っている間も下を向いていると札が落ちている事に気が付いた。別にお金には困ってない。ただ落ちている。そう思っていた。しかしよく見てみるとピカピカと光っているのだ。何が起きているのかよく分からず手に取った。いつもの札とは違い自分を惹きつける力があるような気がした。今までの疲れはふっとびワクワクしながら自宅へ戻った。なぜかとても嬉しかった。

家に帰りよーく見てみると…ただの1000円札だった。さっきは光っていたのに、なぜだ。またまたじっくり眺めてみると濡れているのが分かる。そう、濡れている原因は自分の涙だった。街灯に当たり、涙が光っていただけだったのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?