poison
営業業務で、わたしが海道さんの休眠顧客の掘り起こしをすることになった。
と言っても、170件ある休眠を海道さんひとりでは大変なので海道さんが100件、
わたしが残りの70件と割り振ったかたちだ。
海道さんから時間があれば、顧客先に足を運んで下見に行ってみると良いとアドバイスをもらった。
頂いていた住所をGoogle mapで位置確認をしてから訪問や電話をしようと計画をたてていた。
その後、上司と話す機会があり、
手始めその下見に引率してくださると言うので2.3件付き合って頂くことになった。
ほんとは下見だし2人で行く必要ないと思っていたが、せっかくの好意だったので甘えた。
もちろん上司の仕事の都合を考え、
上司の業務のついでに寄れそうなところを私がピックアップして行った。
その日の夕方、
海道さんが、「八代さんから聞いたよー休眠顧客動いてるんだって?」と探りを入れてきた。
八代さんは、あたしの隣の席にいる新入社員だ。
私なりに計画をたててやっていること、上司と下見に行ったことを海道さんにありのまま伝えた。
海道「え?同行で行ったの?
余計なことしてるな。
え?Google mapで下調べしかー
無駄なことしてるね。」
そんな返答だった。
血の気が多い私は頭に来てしまった。
私「上司が引率してくださると言うので、同行してもらいました。
文句があるなら、上司に言ってください。
行った先で迷わないように住所を確認して行ったまでです。住所の記載間違ってるところもありましたよ。何が悪いんですか?」
ケンカになってもかまわないと思い反論した。
海道「俺に前もって言ってくれれば助言できたのにな。」
私「いちいち、どこ行くだのどうするだの聞いてやらなきゃいけないんですか?それこそ時間の無駄じゃないですか?なんの為にわたしに割り振ったんですか?それなら私に一任してもらった方がいいです」
そう言い切って席をたった。
これ以上話もしたくないし話すこともないしなんならこんな業務やりたくないと思った。
八代くんは、一部始終全部聞いていた。
わたしの気持ちを八代くんは感じていたはずだ。
数日後、2人で八代くんとその話をした。
八代「ハラハラしましたよー怒ってるのわかったんで。」
私「いやぁ。ほんと細かくて嫌いだよーあぁゆう人。思いやりもないしね。
八代くん、poisonわかる?」
八代「poisonですか?」
私「そう。反町隆史の」
八代「あー。言いたいことも言えないこんな世の中じゃですね!」
私「そう。それそれ。八代くんも何か言いたいことがあれば我慢しないで言うんだよ。私にもね。」
キーワードはpoison。
わたしはわたしを騙すことなく生きていくー
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