【毎週ショートショートnote】 数学ダージリン
俺は紅茶党なのを自覚している。
好きな紅茶は、ダージリン。
ティーバッグよりも、茶葉から淹れるのが好きだ。
今日の家はアタリだった。
紅茶に少し凝っている家らしく、茶葉とティーポットがあった。
しかも、茶葉はダージリンだ。
俺流のダージリンの淹れ方は、まず、ポットに入る水の量をはかることからはじまる。最適な茶葉の量を計算するためだ。
同時進行で、多めにお湯を沸かしておく。カップとポットを温めるためだ。
お湯が沸いたら、ポットだけに注ぎ、温める。
その間に、水の量と茶葉の状態から、この程度だと、茶葉の量と時間に見切りをつける。
温まったポットに、茶葉を入れ、きっちりとお湯をはかり、ポットにいれる。
そして、お湯をカップに入れて、温めておく。
紅茶をじゅうぶんに蒸らしたら、カップに入ったお湯を捨てて、ポットから紅茶を淹れる。
完成だ。
「おい、早く来い。紅茶がさめる」
「すぐ行く」
相方も、ゲームをほうり出してくるくらいには、俺の紅茶はうまい。