【毎週ショートショートnote】スライダーの偉大な滑り方

「ゲームしないのか?」
「ここ、ネットひいてないみたい。代わりに、なにか手伝えないかなあって」
「そうか。ひっこんでろ。料理の邪魔だ」
「ええ…」
「代わりになにか着れる服を洗面所から、探せ。こんだけ服があるなら、一つ、二つなくなっても、気づかねえからな。あとで俺が洗うから、適当にみつくろえ」
「わかった」

俺は洗面所に行き、洗濯物の山と格闘した。


洗面所から風呂場に服を投げながら、ようやく、俺と相棒が着れそうな一張羅を見つける。
あとの洗濯物は、必要ないので、風呂場から、洗面所にもどすことにした。
普通にもどしても、雑然さがでないので、意図的に洗面所にむかって、投げることにした。

野球は、観戦したことはある。
球種はストレートぐらいしかしらないけど、やってみよう。
俺は洗濯物を丸めて投げる。
何度もするうちに、コツをつかみ、狙った場所に落とせれた。
そこに相棒が来る。

「スライダーか?」
「ストレートだよ?」
「手え、滑りまくってねえか?」