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健康麻雀教室に行っているけどチャンスが少なくて

 母はもうずっと私と二人暮らしで、コロナが流行ってから友人とも会わなくなったので、会話はほぼ私とだけになってしまった。
しかも、補聴器はつけているものの耳が遠くなり、テレビ番組もあまり楽しめなくなった。
スポーツ中継中心に観ている。
つまり会話のチャンスが極端に少なくなってしまったのだ。

 なにごとにもマイペースを貫きたい母はリハビリ施設やデイサービスを嫌がる。
体操なんかしたくないのに「させられる」ことが大きなストレスとなるらしい。
(そうはいっても、デイサービスとかに行かないと同年代の人と話すチャンスはないよ)

 しかたがないので、一緒になにかの教室に通うことにした。
まるで知らないことを始めるのはハードルが高すぎる。
 以前習いたいと言っていた習字は目が悪くなってやりたくないらしい。
昔やっていたお花は二人で習うのには適さない。
(教材費二人分で、お花を2セット持って帰ることになれば勿体ないというのは目に見えている)
 なかなか一緒に通ってくれそうなものがみつからなかったが、母の大好きなサラダのお店の近くで健康麻雀教室が開催されることを知り、誘うことに成功した。
(帰りにその店で買い物をすることを口実に)
麻雀は私がこどもの頃に親戚が集まってよく遊んでいたから、はじめてではないのだ!

 ところで、健康麻雀……普通のマージャンと何が違うのだろう?
習いすすむうちにみえてきた。
ギャンブル性を取り除いたマージャン、頭の体操、健康第一というマージャン。
 ギャンブル性の高いところはルール変更。
例えば、裏ドラなし、カンしてもドラ増えず、リーチはあっても一発はなし、もちろん赤牌はなし。
 翻も上乗せしないので、裏ドラがのらないと点数が上がらない。
一発逆転はほぼないから、一度高い手であがられてしまうと取り戻すのは難しい。

 そんな健康麻雀の入門コースに週に1回母と二人で通って基礎から教わり勉強になったが、入門コースは終了してしまった。
 次は初心者コースといって、講義はなく試合がメイン。
講師の方はいるので質問は随時できるが、休憩しながら基本2時間打ち続ける。

 母は入門コース終了でリタイアして、試合メインの初心者コースには一度も参加していない。
2時間座りっぱなしで、休憩いれても集中力が続かないという。
 入門コースでよく話すようになった人が母の気持ちよくわかる、といっていた。
(ただ、通っている人のなかには午前の部2時間、午後の部2時間とお昼をはさんで打つ人も多いからスゴイ、しかも高齢者!)

 それにしても、牌をみるのもさわるのもはじめてでしたという本当のビギナーがツモがいいのはなぜかしら?ビギナーズラックって本当にあるのね。
(そんな役なかなかできないよ、という手がそろうが本人はそのすごさがピンときていない)
 初心者コースに数回参加したが、講師の先生がこういう手で待ったらと指導すると、驚くほど手がうまくできあがって高い役でツモやロン!
……ツモのときは私が親で振込額が倍、ロンのときは相手が親。

 結局、麻雀教室は私一人がときどき通うことになってしまった。
教室の帰りにはいつも母のお気に入りのサラダを買って帰る。

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