見出し画像

ときめきを逃さない

パート中の店内では、有線の音楽チャンネルが流れている。

以前は、業務内容にまるで合っていないJ-POPの懐メロ(それも私の中高時代の!)がかかっており「チョイスがおかしい」と思いつつも、あまりに懐かし過ぎてそれなりに楽しんでいた。SPEEDの「Go!Go!Heaven」とか流れているんだもの。

どうやら、チャンネルのつまみが壊れてしまい、その番組しか聴けないというような話だったんだが、ある日出勤すると米津玄師さんの「M八七」が流れていた。


ちょうど映画『シン・ウルトラマン』が話題の頃だったので、「これは最新ヒットチャート!!」と興奮した。つまみがどうにかなって、どうにかなったらしい!
(依然として、業務内容には合っていないが)

しかし最新曲ともなると、アラフォーの私はまるでついていけないのである。曲名もアーティスト名も、てんで分からないのだ。

時折、推しの新曲が流れてくるので嬉しくなるけど、ほぼそれしか分からない。

そんな中、やたらと私の耳に残るメロディがあった。女性ボーカル。声が特徴的。おしゃれでメランコリックな曲調。途中、真心ブラザーズの「サマーヌード」を彷彿とさせるような哀愁感じるメロディラインもあって、なんだか、なんだか、なんだか、すごく気になる。
すごく、良いんではなかろうか…?!

ラジオとは違うのでいちいち曲紹介はない。
「歌詞から検索できれば…」と思って耳を澄ましたのだが、特徴的な声と店内の音が混ざり合っているせいで全然リスニングができない!
何て歌ってるんだ?!

「仕方ない、今度若い子と一緒に入ったタイミングで曲が流れたら、誰の歌だか聞いてみよう…」と思ったけど、そもそも平日の昼間に若い子は入らないし、わたし自身そんなにシフトが入ってないので、誰にも聞けないのであった。

そうして1週間ほど経った今日、もう気になって我慢ならなかったので、ネットでねちねち検索することにした。

とは言え、歌詞もわからず、検索の仕方も思いつかないので、とりあえず有線のホームページを開いてそれっぽいチャンネルのプレイリストを端から見ていくことに。

あの曲の雰囲気に合っている曲名と、あの歌声の雰囲気に合っているアーティスト名を探した。それっぽいものがあったら、とりあえずグーグル検索にコピペして、YouTubeが出たら試聴してみる。
名前は女性っぽいのに検索したら男性アーティストってパターンが結構多くて、「時代はジェンダーレスだねぇ」と独りごちたりなど。

そうこうしているうちに、こちらのMVにヒットした。

似ている…!!
非常に似ている。

さとうもかさん。
曲の雰囲気もだし、声も似てるか?

でもあの曲じゃないなー、残念。

その後も、推しの曲を手がかりに有線の該当チャンネルを探して、オンエアリストから地道に検索を続けた。

するとまたしても「さとうもか」さんの名前を発見。声が似てたんだよなーと、頭によぎる。
さっき調べた曲とはタイトルが違うので、改めて検索。YouTubeが出てきたので、再生してみた。

これだーーーー!!!
これofこれ!!
これを探してたんですよ!

やはりさとうもかさんでしたか!
どおりで似てると思ったよ。

え、待って、MVがかわいすぎん?
私、人間と動物のカップルっていうモチーフ、大好きなんだよね…。
自分が過去にイラストレーターの卵だった時も、人間と動物のカップルはよく描いていた。
だからこの女の子と熊がもうツボすぎて…!

歌詞も素敵だし、曲も素敵だし、アニメーションも相まって、一挙に虜になってしまった。
連絡しちゃっていいですか?だとぉ?!
いいですよ!いいに決まってる!しちゃってくださいよ!
呆れ顔した魔法は微笑んだなんて、そんな歌詞書ける?!感性よ!
なんて素敵なものを見つけたんだろう。
一瞬のときめきを逃さずに蛇みたいに探した自分、グッジョブすぎると万歳した。

ところが調べてみたら、今放送中のドラマ「魔法のリノベ」の主題歌らしいですね。

じゃあ有名だ!

ひとり「ユリイカ!」みたいな感じになってたけれど、もう世間には広く知られている曲なのですね。知らなかった。
そりゃそうか、最新ヒットチャートに乗ってるんだもんな。

しかし、あまりにド・ストライクだったため、興奮してnoteにまとめてしまいました。
アラフォーの執念が実を結びました。
さとうもかさん、覚えました。イラストを描いてるのは中島ミドリさん、こちらも覚えましたぞ!(怖…)

ていうか、中島ミドリさんの名前で検索したら、これまた私の大好きなテイストの、シュール可愛くちょっと不気味でおしゃれなイラストばかりで、クラクラしております。あかーん。

好きと好きが合体して、好きが止まらない。

ときめきと出逢うのは、いくつになっても素敵なことです。推しがいる(ある)と、人生が楽しくなるから、好きなものは多い方が良い。

歳を重ねると、なかなか新規にときめくことって少なくなってくるけれど、それでもこうして時折ふと見つけた小さな光を、決して見逃さずに掘り出そうとする気概さえあれば、実はときめきっていつでも身の回りに転がっているものなのだなって気付いた。

私は、まだ大丈夫。
まだこの世界に生きていける。
そんな喜びを感じた、今日のことでございました。

他の曲もゆっくり聴いてみようと思います。
さとうもかさん、素敵な気持ちを私にくれて、どうもありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?