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ブライズ・メイズ

何度も観てしまう映画、ありますよね。

今回はそんな何度も観てしまう映画、ブライズ・メイズについて。
ポール・フェイグ監督、大好きです。
SPY、ゴーストバスターズも最高でしたね。
ゴーストバスターズは劇場に4回観に行きました。
様子がおかしいよね。

監督:ポール・フェイグ
主演:クリステン・ウィグ
↑この時点で良作の匂いがします。しかも大好きなマーヤ・ルドルフ、メリッサ・マッカーシーも出ている。
キャスト100点過ぎてぐうの音も出ないですね。


ケーキ屋さんを開くも失敗。仕事もクビになるし、ルームメイトからは部屋を追い出される。
金なし!職なし!の主人公アニー。
でも親友リリアンは結婚が決まり、超ハッピー。
一緒に喜ぶも自分との差に複雑な心境。ライバルの新しい友達も出てきて張り合うけども!
っていうストーリーです。ハッピーエンド映画。
キャラの濃いパワフルレディたちが出てきます。
これがまたメリッサ・マッカーシーのキャラがすごいんだな。
こまごましたギャグがなんだかカッコよくすら感じてしまう。なんなんでしょうね。アメリカンジョークみたいな。私の芸風にも取り入れたいです。

ローズ・バーンさんも出てらっしゃいます。親友リリアンの婚約者の上司の妻、ヘレン。
本当にお美しい。
アニーとリリアンを取り合って(?)しょーーもないケンカをずっとしてるんですよね。
付き合いの長い親友って、実は自分より理解してくれてる節があるものですよね。アニーもそうだから、リリアンの婚約ハイにだんだんキレてくる。
ヘレンも絶対悪い人間ではないけど、友達が少なそうで、周りに損得勘定する人間しかいないような生活していそうというか。孤独そう。
(言い方悪いけど、金にモノ言わせる感じ?)
贅沢まみれの結婚準備に、正直金銭的な余裕のないアニーはついていけない。
リリアンも、ヘレンの豪華絢爛さに惹きつけられているけど、アニーは「アンタ!!そんなタイプじゃないでしょ!」と遂にブチギレてパーティーをぶっ壊します。チョコレートファウンテンに手突っ込んであっちい!って言ってました。雑菌まみれよ!とも言ってた気がします。大きいクッキーにパンチしたり。
あーあー…って思いながら遠巻きに見ているのが面白いタイプのキレ方で、私もいつか見てみたいし、なんならやりたいなって思います。
(パーティーぶち壊しシーンのある映画が大好きです。)

人生でなんもかんも上手くいかないもんだから、恋愛要素がそこに飛び込んできても素直に受け止められない。なんか分かる。
お相手役が、クリス・オダウドっていう善人顔の方なんですよね。もう善意100%、手先が器用そうな、デートに花束持って現れるみたいな感じの。キャスティングが本当にお上手ですね。
この人となら恋愛出来るかも、頑張りたいって思える超良い人です。

ハッピーエンド映画なので、いつでも観られる映画です。暗い映画ってHPもMPも減りませんか?
観るタイミングを誤ると落ち込むというか。
そういう映画を観てしまった時のエリクサー映画でもあります。何本あってもいいですもんね、こういう映画。

年齢を重ねるごとに訪れるそれ相応の危機感、理由の有無を問わず降りかかる漠然とした不安ってたまに訪れたりします。寝る前とかね。
序盤のアニーもその最中。実際どん底です。
(母の家に移り住むんですが、その母もクセ強くて良い。元同居人も、インパクト大。同居人の妹役にレベル・ウィルソン)
でも人間同士の愛情でなんとか乗り切る。これって正解なんでしょうね。底まで落ちても、寄り添ってもらえる、寄り添える人でありたいですね。
時にブチギレて人のパーティーをぶっ壊してしまうくらいの感情の爆発、なかなか出来ないですがもっと感情出していいですよね。
大人しいんですもの、社会人という生き物は。人間間欠泉したっていいじゃない!たまには!
でもそれをしない倫理観を持つのが社会生活をこなす上では必要で、こういう映画で発散したくなるんでしょうね、助かるわ~~。

アラサーの危機、中年の危機とはよく耳にしますが、それももしかしたら悪いものではないのかもしれない。
自分を省みて、何をするのか考えるなんて危機じゃなくても大切ですし。
そこに未来への不安があるからポジティブには捉えられないけど、終わったら大したこと無い。多分。ごめん実はよく分からない。
そんな危機真っ只中のアニーを、メリッサ・マッカーシーが喝入れに来てくれるんですけど凄いの。
凄い良い事言ってるのに、アニーをもみくちゃにして「殴れ!やってみろ!!」って煽る。
そんな励まし方ある?正直好きです。
こんなにつらつら文章書いていますが、自分の言葉で人を変えられないと考えているので、時にはこういう物理の説得が必要な時もあるのかななんて思います。
いくら思考を巡らせても、解決するにはなにかしら行動が伴いますからね。「殴れ!やってみろ!」は愛情溢れた行為に思えます。
この映画のメリッサ・マッカーシー、終始すっぴんぽくて、ヘアメも地味なのに実は超優秀というキャラです。
(リリアンの婚約者の妹役で、ずっと兄をクソ呼ばわりしてます。)本当何の役やらせてもいいな、メリッサ・マッカーシー。

監督のポール・フェイグ、女性が活躍する映画を作るのが本当に上手なんですよね。
彼の人となりは詳しく分からないけど、女性への尊敬も感じられる。女性の強さを知っていて、引き出すのが上手いんだと思います。
気付いてないだけかもしれませんが、観ていて「そんな事言う女性いるかよ!」とか「男性の理想の女性像(笑)」みたいな瞬間がない。
ゴーストバスターズも。SPYもそうでしたもんね。
撮影中もずっとスーツ着てるイカしてるおじさんなんです。かっこいいし、見た目からコメディ畑の人だなと思わせる親しみやすさがある方です。
彼の作る笑いって、言葉だけで切り取ると下品ではあるけど、綺麗な下品なんですよ。何を言っているのか自分でもよく分かりません。
ヘイトや自己主張ではない、みんながクスッてなる一言の詰め合わせ。吹替ですら面白いんですよ。
英語が理解出来たら、原文からの的確な分析が出来るだろうにね。こういった時に自分のスキルの低さにがっかりするわ!勉強しろ!愚か者!

自分を叱咤したところで。
映画は、人の人生を覗き見している感覚もあるんじゃないかと思っています。アニーの人生を観て、自分だったらどうなるのかな、など考えたりするのも良い作品との向き合い方なのかも。
単に楽しめる映画でもあるし、そういう見方もできる。オトクな映画ですね、ありがたいですね。
週末の晴れた日に観るといいと思います。そういう、明るい映画。
疲れた時にはポール・フェイグ。是非観てね。

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