雨の話について。

昔から、雨が好きだ。

雨が奏でる音。
枯れて無くなったはずの大粒の水が傘に落ちる音も、
晴れた空に、落ちてくる透明な水の音も、
全てが心地よい。

雨によって生まれる情景も好きだ。
図書館から眺めるあの風景も、
雨上がりに水たまりや雨粒が光で反射するあの光景も
ひっくるめて好きだ。
(ただし、物理的なものは嫌い。雨には濡れたくない。)

そんな雨という事象から発生するものの中でも、
あの匂いは特別に好きだ。
そう、名前にもなっているpetrichorだ。
ギリシャ語で「石のエッセンス」。
あの、独特な匂いが忘れられない。
そんなPetrichorのメカニズムは以下のようになっている、、、らしい。

「まず一つ目は、雨が降っている際に、アスファルトから漂ってくる匂いです。これは、カビや排ガスなどを含むほこりが水と混ざり、アスファルトの熱によって匂いの成分が気体となったものです。

この匂いは『ペトリコール(Petrichor)』(ギリシャ語で『石のエッセンス』の意味)と呼ばれています。まず、雨粒が地面や植物の葉などに衝突したとき、微小な粒子を含んだ気泡(エアロゾル)が放出されます。次に、植物由来の油が付着したエアロゾルが乾燥した粘土質の土壌や岩石に当たった際に、それらがもつ成分がエアロゾルの中に取り込まれます。これが空気中に巻き上げられることにより独特の匂い、ペトリコールとなって、私たちが感じる『雨の匂い』になるのです」(京都リフレ新薬)

“降り始め”と“雨上がり”で違う!? 「雨の匂い」の正体は?-ウェザーニュース

このようなミクロレベルの事象が、ここまで自身に影響を及ぼしていると考えると面白い。
興味が湧いてくる。

その調子で調べていると以下のような記述もあった。

プルースト効果(現象)
ある特定の匂いを嗅ぐことで、それにまつわる過去の記憶や感情がよみがえることを「プルースト効果」といいます。
感情を揺さぶるのは、五感の中で嗅覚(きゅうかく)がもっとも強いといわれています。
匂いは、感情や本能を支配する大脳辺緑系(だいのうへんえんけい)に直接届いた後に、五感を認識する大脳皮質に向かいます。
嗅覚は匂いを認識する前に本能的な感情を引き起こしている可能性があると考えられています。
ペトリコールが「大好き」という人は、雨の降り始めにとても楽しい思い出がある、ペトリコールが「大嫌い」という人は、雨の降り始めにとても嫌な思い出がある、かも知れません。

ペトリコールとは?香りの成分とその特徴・プルースト効果との関係

プルースト効果。
もしかすると、自分には雨に関する特別な思い出があるのかもしれない。
下校時間に濡れながら友人と駆けて帰ったり、
はたまた、青い春を涙が薄めていたりしたのかもしれない。
脳裡の中にはないが、ただ鼻腔をくすぐるあの匂いが覚えている。

そんな朧げな思い出を浮かべながら、
思いっきり濡れて帰るのも
たまにはいいかもしれない。

明日は透明水曜日。
都合のいいことに予報は、雨____。
…とはならなかったが、
何かいい思い出ができるかもしれない。

追伸
ペトリコールの引用に
「まずは一つ目は、」とあったが、
雨の匂いにはもう1つあるらしい。
雨が上がった匂い、Geosmin。
ギリシャ語で「大地の匂い」。
化学式:C12H22O
気になった人は調べてみてはいかが?

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