君たちの誕生日


本日やっと、帝王切開の日を迎えました。

朝7時、NST測定、血圧などここまではいつも通りだが、水分補給+抗生剤の点滴を入れてもらう。

体調に問題がないか測定をしてもらいつつ、
私はその間に"応援"も一緒に延期してくれた友人たちにDMやLINEを送ったり、この大きすぎるお腹から聞こえる最後の心音や、ここに居るのも最後!とここぞとばかりの激しすぎる胎動を眺めて、のんびりと過ごした。

測定完了。手術室へ向かうのは9時20分頃になるとのことで、それまでは自由に電話をしてきてもいいわよ、と言われる。

ナカダテも明け方から起きていた様子だったので、この時間にビデオ通話を。

会話の内容としては、本当にいつも通り...
先日のイベントの帰りに結局どこでゲロを吐いていたのか、とか、彼目線で書いたこの妊娠についてのnoteの話、あとはお互い無言のままポケ〜としていたり

そして通話を切る最後に
「今日もちゃんと晴れたね、ここまでよく耐えた、ありがとう。いってらっしゃい」と。


ちょうどオペ室へ向かう時間になったので、貴重品とスマホを預けて助産師さんに誘導されながらエレベーターへ乗り込む。

9時半に、オペ室スタッフや麻酔科の先生、手術を担当する産科の先生たちがわらわらと集まってきた。同意書や生年月日、病院内でのIDなどを何回も確認される。

初めての手術室。
室内ではリラックスさせるためにヒーリングミュージックが結構な音量で流れていた。小鳥のさえずりなんかも途中で挟み込まれていて、新宿のテルマー湯みたいだな、とか思ってマスクの下でニヤニヤしてしまった。
場所もちょうど新宿だし。

ここでも最終チェックとして名前や生年月日を聞かれる。これ、何回も聞かれると間違った日付言ってそうで怖くなる。

そして思いの外フッカフカの手術台に乗せられてあれよあれよという間に、色んな管やら測定器をつけられる。
そして横向きに転がされて、背骨と腰の骨をグイグイ押され、麻酔の位置確認を行う。

チクッとね〜〜〜と言われ、背骨の所に針がブスッ、ズドーンって感覚が走る。そのあとも何回かズドーン、グヌ〜ンみたいな、ところてんを背骨の隙間にグイグイ入れられてるような感覚が何回か繰り返された。
"麻酔って痛いよね〜"くらいのまだ想定できる範囲の痛さだった。

あとは麻酔が効いてくるのを待つのかと思ったら、次は腰の骨を押されて、「ここね〜〜〜〜、チクッと!」っと言われて混乱。

エ、もっかい?え、待って、また痛ッ、エ‼️
アッッッ〜〜〜〜‼️(爆裂痛い)

反射でビクッとしてしまうくらい痛かった。

びっくりしたのと、覚悟してた痛みより全然痛くて、掠れ声で看護師さんに痛いことを伝える。痛み止め追加しまーす、ズブッ。
また反射でビクッとしてしまう。

これを体感的には結構な回数と時間やっていた気がする。後から聞いたら、数分とかだったらしいけど、これがもうありえないくらい辛かった。

そして暫くすると身体がポッカポカになってきて、感覚全くなし。もう何されてもOK状態に。アイスノンや、消毒シートでいろんな部位の冷たさの確認をされる。
胸くらいまで感覚がなくなったのを確認されると、それぞれの担当者が名前を言い、いよいよ手術開始。

自分からは何をされているのか全くわからないので、オペ室のライトの銀色の部分とか、器具が並んでるアルミのプレートとかの反射でうまく見えないかな〜と辺りを見回したりしてた。

ここでなんとなく眠いような、意識が遠のく感じがした。
「寝ててもいいですよー、赤ちゃん出る時起こすので」って担当医に言われるけど、こんな場面早々無いから記憶しておきたい一心で目をとにかくかっぴらいていた。多分すんごい顔してたと思う。

まぶたと戦ってたら、息苦しくなってきて不安感が強まってきてしまった。
さらになんか耳が遠くなってきて、唾もうまく飲み込めない。
聞こえにくい状態で微かに聞こえるヒーリングミュージックのオルゴール音が逆に怖さを引き出しまくっていた。

頭上にいる麻酔科の先生に苦しくなってきたことを訴える。

酸素吸入器をすぐつけてくれてもっと早く言えばよかったと思った。


そしてついに、帝王切開レポでよく聞く
「お腹押しますよー」の掛け声。
(ちょっと調べると沢山出てきます。)

ドンッて衝撃と共に、
「1子ちゃん出ました!!!!!おめでとー!!!**時**分!!!(よく聞こえなかった)」
そしてそのまま赤ちゃんの状態を確認する場所へ連れてかれていく。
赤ちゃんの声聞こえ、あ、ちゃんと泣いて....と思ったら、
さっきより更に強い力でズドンッと2回くらい全身を内側から引っ張られるような衝撃を受ける。
身体が持っていかれそうで思わず声が漏れてしまった。
そして、「2子ちゃんでましたー!!!お疲れ様〜!!!!」と言われる。

でも、1人目と比べると、2人目の方がゼェゼェ混じったような苦しそうな声が聞こえる。

私多分絶賛お腹捌かれてるし、いまの2人の状況見にいけないし、もし何か2人目の子が危険な状態だったらどうしよう。と思って気が気じゃない、嬉しさよりなんかもう頭の中真っ暗。

そしてそのあと胎盤を取り出したのかズルズルンッみたいな感覚だったり、血液とか羊水なのかを吸うような掃除機みたいな音がする中、2人目の子がなにやら新生児用のベッドの中で処置をされている姿が目の端でチラチラみえる。

同時並行でこんなに気が気じゃない事ってあるのだろうか。


子供2人の姿が見えなくなり、数分後。

看護師さんが眼鏡をつけてくれて、
助産師さんが2人をバスタオルに包んで笑顔で私に見せてくれた。

2人とも黒目がちでふにゃふにゃ鳴いてて、
なんかもうピカピカしてた。

本当にこの子達がついさっきまでお腹の中に入ってたんだろうか。

なんか全然声が出なくて、私、泣いてたのかな、とにかくこの瞬間で2人のことをちゃんと捉えておきたくて必死だった。

「無事だよ!大丈夫!元気ですよ!
この後たっくさん写真と動画納めてきますからね!!」と2人を大事に抱えて先に新生児室へ連れてってくれた。

よかった〜〜〜!!!無事か〜!!!!

と思ったらなんかもう自分の体とかどうでも良くなっちゃって、なんか耳聞こえないとか全然ないし、唾とかも余裕で飲み込めるようになってるし、縫合されてる時間が長い長い。

早くおわんないかな〜とか思ってたら、麻酔科の先生と看護師さんが「ラケルパン食べたくない?クリスマスだし明日」とか雑談し始めてもうなーんでも良くなってしまった。

気がついたらBGMはハッピーバースデーの歌に切り替わっていて、手術がすべて終わる頃にはクリスマスソングメドレーがかかっていた。

そっか、明日はクリスマスイブか。

病室では季節感が全く感じられないのに、
急に外の世界と繋がったような気がした。

誕生日おめでとう。

記録:2023.12.23

今日は娘と息子が生まれました。






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