「弱いつながり 検索ワードを探す旅」を読んで

 この本を読んで、人間は環境によって規定される存在であることを強く認識させられました。
 人間には意識があると思います。例えばダイエットをしたいとかあの大学へ行きたいとかそういう志があると思います。また、そうした目標はその人が努力することで実現されていくと思います。なのでどのような環境に身を置いたとしても、自分の意識をしっかりと持てばあらゆる目標は達成されるのだと考えていました。自分に強い意識さえあれば進学校でなく地元の学校に通っていても難関大学に進学することはできると考えていました。現にこのような体験をされた方にも会ったこともあります。しかし、本書を読んで、自分の意識だけで自分を切り開くことのできる人はそう多くないことを感じました。むしろそういう人は意志を貫く才能があったと考える方が自然なであり、そのような人は少数派であると考える方が普通だということに気づかされました。多くの人は環境に見合った形でしか生活できない。そして環境を超えて自分が成長していくことはとても難しいことなのではないかと感じました。人間には自由意志があって環境にかかわらず何者にもなれるのだ、という人間の可能性を信じた考えは少し弱まりました。
 以上のように考えた時、自分が現在所属している環境というのはとても重要ではないかと感じました。なぜならその環境の良し悪しで自分の行動が大きく変わるからです。今の自分のいる環境が良いと感じるのであればそのまま生活しても良いと思います。ただ問題は環境が悪いと感じた時だと思います。自分が今いる環境が悪いと感じた時にどのようなアクションをとるか。これがとても大事だと考えました。環境を変える行動をとることもできると思います。また環境を離れ、新たな環境を求める行動をとることもできると思います。いずれにせよ勇気のいる行動をする必要があると思います。人間は環境に「いる」だけでなく環境を「作る」こともできる存在であることを再認識しました。
 本書を読んで環境を見つめることの重要性を学びました。自分がいる環境が自分にとって良い環境かを常に見続けなければ、環境に規定される人間は良い行動を取れないからです。そのため今後は単に環境に身を委ねるのではでなく常に環境を観察し、時には勇気の伴った行動をして環境を変革、模索し、より良い環境のもとで人間として成長していきたいと思いました。以上が本書を読んだ感想です。


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