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訪問美容現場からの声〜ベッドカット編〜

こんにちは、un.の朝田です‼︎

先日私が毎月訪問している介護施設の職員さんから″入居されている方のベッドカット″についてご相談を受けました。

私が訪問させて頂くようになってから4年近く経ちますが、これまで居室やベッド上での施術を希望される方はおらず、皆さんお元気に過ごされている印象の施設様でした。

過去に居室で対応してもらった方がいなかった為、職員さんもどうしようか悩み無理してでも美容所へお連れしないとダメなのかな?と考えて下さっていたそうです。

ご利用者様は娘様とお2人で入居されており、訪問美容の日はいつもご一緒の時間に来店して下さっていました。

ですがここ数日急に体力が落ちてきてしまい車椅子でも長時間座ることは難しいとのお伝えを受け、この度お母様は居室にてベッドカットをさせて頂くことになりました。

これまでお2人で仲良くいらっしゃるご様子が素敵だなと思って担当させて頂いていたので、様々気にかかることがある中での居室訪問

ご利用者様はベッドに寝ていらっしゃいましたが、私の声かけに目を開けて頷いて下さっていたので少しホッとし、それから準備を始めていきました。

″ベッド上でカットしてほしい″
そうお伝えを受けると、施術者側も身構えてしまうことはありませんか?

目を瞑って寝ていらしたり、お声に反応がなかったり、ご自分で身体を動かすことができないなどをイメージされる方もいるかもしれませんが

実際は声かけしていくと目をじっと見て下さったり、目を瞑っていても頷きはして下さったり
ご自分で柵を持って身体を横向きにできる方や、お首だけであれば左右に動かせる方もいらっしゃいます!

実際にお会いし、自分の目でご利用者様の状況を把握できるまではどんな風に施術を行えるかわからないので、今も頭の中で何度もシュミレーションしながら居室へ向かっています。

今回の場合は下記の画像ように、ベッドの脚が既に床に固定されていて動かすことができないタイプのものでした。

介護用ベッド

そしてベッドの左側は壁に寄せてあり人が入れるスペースはなく、頭上側も壁に寄っていたのでギリギリ人は入れても、しゃがみ込んで作業することが厳しい状態でした。

そういった時は介護士さんに事情をお伝えし、自分がどれくらいのスペースを作ってもらえれば施術できるかをお伝えすると、一緒に考えて取り組んで頂けます!

【今回の対応の仕方】
右側のベッドの柵の位置を足元の方へ付け替えて頂き、頭上の板は取り外しが可能だったのでそちらは外してもらうことで、2箇所からアプローチできるスペースを確保し対応させて頂きました。


取り外し移動してもらった箇所

そしてご利用者様にはベッドの中央よりやや右側に寝て頂き、ベッドの左側に周りこまなくても、首を少し動かしてもらえれば左サイドもカットできるような体勢を作って頂きました。

【このような状況で行う際の注意点】
今回のご利用者様は寝返りを打てない方でしたが、寝返りを打ったりご自分で身体を横向きにできる方は、ベッドサイドの柵がなくなることで床に転落するリスクが高まります。
柵が移動可能な場合は下半身より下だけでも支えられるよう柵の位置を移動させ、万が一に備え職員さんに付き添って頂くのが安心で安全です!

他施設でのべッドカットの様子

施術が終了し″綺麗になりましたよ″とご本人様へ鏡をお見せすると、うっすら目を開け頷いて下さりました。
ちょうどその時娘様がお戻りになり、お母様の様子を見てとても喜んで下さりました!

同じ部屋に入居しているものの、ご自分は車椅子で生活しており上手く言葉が発せられないことから、中々声をかけて差し上げることが出来ず
以前のように起き上がったり、目を開けないお母様がとても心配だったそうです。。。

最後に私の手をぎゅっと握り″ありがとうございます″と涙ぐみながらお伝えして下さりました。

その瞬間自分がどんな訪問美容を提供したいのか、どういった訪問美容師でありたいかを改めて強く感じました。

施術を受けるお客様だけでなく、ご一緒に暮らしているご家族様や職員さん、そして訪問美容師
″たくさんの方の想いがつまったベッドカット″となりました!!

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