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挙手

乗ろうとした電車が動き始めてしまった
ぎりぎり間に合わなかった
目の前をゆっくりと通り過ぎていく電車
まばらな乗客がいて、気乗りしない感じで手を小さくあげているのが窓越しに見えた
帽子の少年はビシッと手をあげていた
車内のほぼ全員が手をあげていたように見えた

電車の乗客だったときに
誰かに物事を尋ねられて、挙手をもって答えたことなんて今まで一度でもあっただろうか?
するとその疑問に対しての「答え」が脳に直接届き始めた
「この電車は急な気象の変化(大雪や大雨)により長い時間立ち往生する恐れがあります それに備えて水分を携帯しているかの確認です」
ふーん、と思って
そこで目を覚ました

乗り遅れたちょっとした悔しさと
まだ残る眠けの中
電車が走り出してから手をあげさせても遅いじゃないか、と
電車に乗れてない俺がそう思っている
昼寝のときにみた夢の話

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