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48.大人になったら叶ってほしいこと


「大人になったら叶ってほしいこと。
 僕が大人になる頃には、僕も生きやすい世界になっていますように。よろしくお願いします。」

 小学生の頃、卒業文集に僕がそう書いていたらしかった。
 小6の僕は随分生きにくかったようだ。
 そんで周りの人はとても伸び伸び生きているように見えていたようだ。

 中学校に上がって中村ひろたけという人間を見て、そりゃもう「なんやコイツは」と思い続けたものやったけど、そのずっと前から僕は他人に対して溝を感じていたらしい。

 もう覚えていない閉塞感だ。
 僕の記憶の中の小6の僕は、周りが言うのと同じ、ぼんやりしているわりに落ち着きのない奇妙な子供なのに。

 そうやって僕も「話の通じない大人」とか「断絶した他人」になっていくんやろうかと思うとややしばし胸がちくちくした。

 世界は別に生きやすくなってはいないしむしろ悪いところは悪なっていって、ほんで友達は死ぬし彼女は去るし忘れ物は多いし道は覚えられへんけど、でもまぁそこそこ人生楽しいですよと言うたら小6の僕は信じるやろうか。

 信じる信じない以前に話聞かへんやろな。
 いまだに人の話聞かれへんもんな。

 人の話ちゃんと聞きなさいよ小崎くん。
 あと君の10年後は大学生じゃありません!
 結婚もしていません!
 高卒です! ひろくんという最終学歴保卒の激ヤバ人間と人生で最も目上の人を舐め腐った日々を過ごしています!

 楽しかったなぁ。
 今も楽しいよね。

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