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人夫出しの仕事を少しだけしていた時を思い出す。

皆さんは人夫出しと言う仕事をご存じでしょうか?

人夫出しとは工事現場や建設現場に職人を作業量単位で人を出す仕事です。鬼越トマホークがYouTubeで言っていた商業施設のハードコアな清掃業務が日当1万だったとかガラを運んで1万貰っただとかは完全に人夫出しの会社に登録して現場に行っていた感じだと思います。
ソラシドの本坊さんがやってた現場仕事なんかはまさにそれですね〜。

1人工2万ぐらいで1万2千ぐらい引いて残りの8,000円が本人の日当みたいな感じで当時いた会社は運営しておりました。

世の中には『そんな仕事があるから貧富の差が埋まらないんだ!』とか『ピンハネ業者があるから職人さんの手取りがー』みたいな現場経験も何もないカスみたいな偽善者が声だけ大きく言ってますけども個人的にはこの様な仕事も必要なのかなと今でも考えております。

もちろんスーパー悪徳業者みたいな会社もありましたがそんな感じの職場でしか働けない人は世の中に沢山います。家庭事情とか生活背景的にそんなところでしか働けない人は沢山います。

前職の会社は『飯場』になる棟を何ヶ所か持っていました、大体80名ぐらいが住める一棟を建ててそこに日雇い人夫を住まわせて衣食住の内、食と住を提供します。

部屋の広さは大体3畳ぐらいでめちゃくちゃ狭い、ベットとテレビでほぼ満タン、鍵も南京錠みたいな部屋もありました。建築法の関係で完全な個室にできないのでカプセルホテルみたいな感じで法律を守るために壁に空洞が開いておりかなり外に音が漏れるのでヘッドホンはマストで皆さん使用していました。防音設備はないのでイビキがヤバかった、、、。

食の部分は会社側で用意しておりめちゃくちゃお米は不味かったのですが食事担当の様な方がおり担当が優秀な飯場だと食材費と比べてかなり美味しい食事にありつくことが出来ます、反面、担当がダメな飯場はメシマズでみなさんコンビニとかで食事を買っている人がほとんどです。

喧嘩とかは正直に言うとほとんどありませんでした、トラブルが発生したら喧嘩になる前に皆さん何処かへトビます。『○○さんがいなくなったから人集めんとな〜』みたい会話は日常でした。

どんな人がその様な所で働くかと言いますと主に
①借金などの問題で身元が割れるとまずい人
②色んな問題で部屋が借りられない人
③元ヤクザ、前科のある人
④ホームレス
⑤犯罪者(めっちゃ少ないです)

上から多い順ですね。
運営していた土地柄で借金や家族から飛んで失踪中みたいな人は結構多かったです。
色んな理由というのは天涯孤独で保証人になれる人がいないとか単純に借金等で部屋を借りることが難しい人。
昔ながらの人は指が不自然に無い紋紋入りの人などもいました、ホームレスもいましたね。
犯罪者はほとんどいませんが過去に数名はいた模様、飯場の寮長は警察などと連携してかなり細かく管理している人が多く怪しい人には人情全開のリーガルチェックを入れていました。

指名手配犯みたいな人はいませんでしたが何かから逃げてるみたいな人はササっと調べて警察に突き出す事も過去にはあった様です。

そんな所で働く人で多いのは自制ができない人が多かった、お金が入ったら入った分使う、日当を貯めて定期的にもらうタイプの人もいたのですが大きなお金が入ると風俗に直行、焼肉、酒、銭湯のコンボを決めて、次の給料までどうしようか、みたいな人も多かったです。
お金を貯めるという考えが頭に無くて基本は皆さん速攻で使っていました。

給料が入ると1週間くらい部屋にこもって酒を飲んでお金がなくなると3週間ぐらい働いてまた1週間酒篭りする人夫さんとか嫌なことがあるとその現場に行きたく無いと駄々をこねるおじさんとか色々な人間模様が見れるのはある意味楽しかった。

個人的に見た人夫の散財ランキング1位はギャンブル 2位は酒 3位は食 4位は風俗 5位は見栄に使っていたと思います。ちなみにギャンブルで増やしたお金も速攻で使い切ります。

現在の基準で言うとグレーゾーンの人も多いのかなと思います。字が書けないという人もいた(だいぶご年配でしたが、、、。)

私が営業として在籍していた時のトラブルとしては飛んだやつの部屋から注射器が見つかった事件、さすがに焦りました(警察の現場検証もあった)。

基本気の気の良いおじさんが多かったのですが反面教師的に考える事も多かった、『貯蓄は大事』『自制を持って動く』『分相応な生活を心がける』『日々、自己研鑽』『常にスキルアップ』が大切だと心から学ばせて頂きました。

あの仕事、改めてしようと思うかというと今はそうは思いません、、、。

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