小説誌『溶けてなくなれ、硝子飴』&『ウイとヒナタが仲良くお便秘を治すお話』感想投稿(ネタバレ有り)


1.概要 甘々繊細百合とえっちなお便秘本の豪華セット

アクスタと一緒に並べてみました。

 この度サークル「CRあめもちうず」/あめもちうず先生による新刊小説誌2冊を、先日のイベントで頂戴しましたので感想を書いていきます。
 ウイヒナの百合新刊が2冊!? ブルアカ生徒百合の中でも特に百合の王道たる元気で天真爛漫ガール(ヒナタ)とちょっと陰な雰囲気ガール(ウイ)カップリングはわたしも大好きですし何ならお話も書いているので、刊行前から楽しみにしていたのですが、繊細な心情を綴った全年齢百合と、二人でお便秘解消という大変性的な百合をセットでぶつけられたせいで情緒も陰茎も破壊されて大変なことになりました。

 『溶けてなくなれ、硝子飴』については文学的で片想いの心情へ徹底的に寄り添った描写が大変魅力的な百合作品ですし『ウイとヒナタが仲良くお便秘を治すお話』についても便秘・放屁・排便×百合という癖の詰まった作品となりますので、このようなアカウントをフォローしている方々には手に取っていただきたい作品です。特に前者は全年齢ということで「そういう描写」はかなり抑えめ(排尿・おしっこおもらしは控え目ながらあります)となっていますので、「普通に良質なウイヒナが読みたい」という需要にも適合しているかと思いますので、ブルアカ生徒百合のオタクには読んでほしいもの。

 以下 以下ネタバレ有りの感想となりますのでご注意下さい。

2.『溶けてなくなれ、硝子飴』感想

 高濃度な関係性と”矢印”と感情を全編に渡って飽きさせることなく表現しきっており感服の一言に尽きます。印象的な短歌の引用も、単に引用するだけに留まらず、きちんと物語の中で重要な役割を果たすような使い方をしているのは流石ですね。

 中身は、文学少女の一人称に相応しい文学的で繊細な心理描写がふんだんで、心に秘めた片想い・恋愛感情がよく伝わってくる上質な百合小説。一つ一つの比喩や言葉の並べ方が丁寧で、片恋慕ゆえの痛みが、言えない気持ちを抑える苦しさが伝わってきて、良い意味で辛くなるし情緒を乱される作品と言えます。
 その中でも、短歌を引用し、自身が抱えた燃え立つような「好き」を伝わらないように”伝える”場面はその観点で序盤の山場と言えます。過去に詠まれた秘めたる恋の歌と自身を重ね合わせるウイ……伝えてはいけない。伝えられない。けれど、伝えたい気持ちを抑えられなくて、気付いてほしくて、知らないふりで歌を詠む。あんまりにも好きです。

 中盤(破)以降は風邪を引いたウイの看病パートですね。
 弱った心身に、たっぷりの優しさと暖かさを流し込まれて飴玉を溶かされまいと、あるいは情けない姿を見られたくないともがくウイがなんともいじらしい。しかし生理現象は無情で……大失敗をしでかしてしまうシーンはよいものです。
 そこからどんどん心の壁を崩されて、甘々看病を受け容れていくのも大好きです。ヒナタはママ適正があり過ぎるので、おかゆを冷ましてあげるのも、おしっこを手伝ってあげるのも解釈通りという感があります。
 失敗を契機に、素直になっていくウイの姿が愛らしく、また終盤の展開に向けて説得力を持たせているのがよいところだと思います。

 そして終盤(急・救)がやっぱり大好きです。色々百合を見ていますがやっぱりこういうハッピーエンドが私は好きです(突然の阿慈谷要素)。
 わたしの作品解釈が間違ってなければ、序盤のウイによる歌詠み(紅の~)も、恋を秘め続けるという宣言でありながら、ある意味でウイが不器用ながらも勇気を奮った結果だと思うのですよね。そんな小さな勇気を無駄にしない、青春に相応しいハッピーエンドに繋げるのはあまりに反則で、正しい。
 そして、ヒナタの返歌=告白があまりにも完璧過ぎます。引用で「秘めたる恋」を伝えたウイに対し、相応しい返歌(ちゃんと”紅”を被せてくる)で「伝えてほしい」と言うんですよね。
 返歌を引用するに当たって、ヒナタが、ウイの好きな古典を自分なりに頑張って読み解く、という過程を経ているのも、ウイへの愛情とヒナタらしい真っ直ぐな気質を感じられて大変好きです。
 そして最後に、ウイは図書委員長に相応しい文学的な表現も、古典の引用も歌もかなぐり捨てて素直に「好き」を伝える。完璧な構図じゃないですかね。一体どうやったらこういうのを思い付くのだろうか……

 伝えたかった恋心。ウイの本心。だから恋をひた隠しにする序盤の歌詠みは、「好きな」と言いつつ「嫌い」とルビが振られている。そして、この本の表題も「溶けてくれるな~」ではなく「溶けてなくなれ~」なんですよね。
 そしてヒナタもまた、ウイの硝子飴でできた殻に対し「溶けてなくなれ」と願った。その結末たる両想いはあまりにも暖かいので。
 ……ちゃんとヒナタの片想いの捕捉もあるのも助かりますね。天真爛漫ガールの恋心はいいもの。また、

 コン/konさんによる表紙イラストも暖かな雰囲気が伝わってくるよいものでした。肩を寄せ合うウイヒナ……!

3.『ウイとヒナタが仲良くお便秘を治すお話』感想

 溶けてなくなれ~とはうって変わって百合スカを前面に押し出した作品でした。短いながら、二人でのお便秘解消と便秘排便が大変えっちで実用性も高い作品です。展開的に確かにこれは順番に読んだ方がいいですね。

 付き合い始めてすぐに百合えっちに積極的なシスター、いかんでしょ。しっかりキスもして気持ち良くなる。ヒナタならやりかねないし、ウイも受け容れちゃうんですよね。二人で気持ち良くなりたいウイヒナ……!

 そして気持ちいいえっちをするために、二人でお便秘解消を目指すというのもこれまでの百合スカに無い斬新な展開だと思いました。性行為中におならが出ちゃって集中できないお便秘ガール、大いにありだと思います。いろんな百合CPに移植したい……これから特許(多分取ってない)使用許諾をもらいに行きたいと思います。
 そしてお風呂でのお腹もみ合いは大変性的でしたね。お互いボコボコおならを出しちゃうの好き。恋人に優しくお腹を揉まれて大腸が活性化しちゃうガール、あると思います。あるべき。
 それでお腹が動きすぎて湯船で排便しちゃうヒナタ、急激に便秘ウンチが降りてきて服も着ないままトイレに駆け込むヒナタが大変よいですね。子供みたいにうーんってして、でっかいウンチをもりもり山盛り出しているのが似合うシスター。性的過ぎますし、便器を詰まらせるのが似合い過ぎます。

 一方で同時に催してしまったウイのトイレ懇願も好きです。仲良し恋人同士とはいえトイレは一つ。同時に強く催せば争奪戦不可避なのはいいですね。便秘ウンコが出そうになって大焦りのウイ、かわいいです。
 そして遂に我慢ができず、新聞紙で作った応急トイレですらないものに、太長便秘ウンコをひり出しちゃうウイが大好きです。六日分の便秘ウンコの山はそれはもうすごいことに……この点が一番実用性が高いポイントだと思います。

 リットさんによる表紙・口絵もえっちですね。ヒナタがなんとかでかいのを出せた快楽がよく表現されているかと思います。ゴツゴツの便塊が伸びていくところや、脚の間から茶色が覗いてるところ、ウイの催しそわそわ顔も癖に刺さります。
 また、やーぺさんによる漫画も、ウイ・ヒナタの放屁からウンチを出してしまってドタバタな雰囲気まで本編の様子をしっかりと描写しておりこちらも大変よかったです。プカプカ浮かぶヒナタの便秘ウンチ……

 



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