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第3回 情報リテラシー論「検索エンジンの変遷と進化」

https://yokotashurin.com/

本日は、情報リテラシー論3回目。検索エンジンについての授業でした。


本題に入る前に、まず授業の冒頭で、2009年TEDにおいての、プラナフ・ミストリ―(pranav mistry)氏のプレゼンテーションの動画を見ました。

プラナフ・ミストリ―氏は、動画に出ている2009年当時、「リアルのモノをネットの方へ落とし込む。また、ネットにあるモノをリアルに出現させる」ということが出来る社会の実現化を宣言し、現在に至るまでに様々な情報技術の発明に関係してきた方で、モノや情報のデジタル化という面においては、その実現化をほぼ成功させることが出来ています
ただ、現在の社会においては、デジタルのモノをリアルの世界に出現させること(ネットからリアルへ)は、未だ実現化されていない部分であり、現実的に考えると難しいことなのではないかと感じました。
また、ここで疑問に感じることは、この「ネットからリアルへ」のモノや情報の移動は果たして本当に実現する必要があるのかという事です。
このようなものが実現すると考えると、非常に便利な社会になるとは感じますが、現代のコンピュータ機器などの制御能力は、我々多くの人間にとっては未知数であり、少なからず恐怖を感じます。インターネットでモノを管理できるシステムは、とても便利だと感じる一方で、人間が、身の回りにある事象を管理するための知恵を、人間自身の力で身に着ける必要もあると感じました。

情報技術が進んだ社会になる中で、その技術に依存するのではなく、ある部分においては人間自身の力で考え行動することで、インターネットなど情報技術をうまく活用できるようになっていくと思うし、情報技術への依存度も減るため、これ以上の情報技術の発展、特に「ネットからリアルへ」の側面においての発展を望む必要は、あまりないのかなと感じたりもします。

それでは、今回の授業の本題に移りたいと思います。

今回の授業では、GoogleYahoo!などの無料検索エンジンについての進化の歴史を辿りながら様々なことを学びました。
そこからわかったこと、気付いたこと、印象に残ったことなどを述べていきたいと思います。

今や世界では、Googleが最も利用されている検索エンジンとして君臨していますが、歴史の中では、Yahoo!がトップだった時代も存在しました。では、なぜGoogleは現在、圧倒的シェアを誇っているのでしょう。また、なぜYahoo!はGoogleにトップの座を奪われてしまったのでしょう

今回は、各検索エンジンが行ってきた戦略や、インターネットの歴史などの観点から、それらの原因について説明していきたいと思います。

検索エンジンの利用率を上げる経営戦略

1.ポータルサイト

まず、Yahoo!が行った戦略として「ポータルサイト」というものがあります。この「ポータルサイト」というのは、検索エンジン、天気予報、ニュースなどの、様々なサービスのページの入り口となる大きなWebサイトのことです。
このサイトおかげで、2010年辺りにGoogleの日本国内での利用率が1位になるまでは、世界の中で唯一、日本だけYahoo!の利用率がトップであり続けたのです。では、なぜ現在ではGoogleに取って代わられたのか、それはスマートフォンの誕生にあるといわれています。
スマートフォンのホーム画面(アプリのアイコンが並べられている場所)は、PCにおいてのYahoo!のポータルサイトの機能を果たしており、ホーム画面からアプリやニュース、検索エンジンなどに飛ぶことができ、その便利さから、世界でも日本でも次第にスマートフォンを利用する人が増えていきました。

2.一兆円

また、Googleは、iOSのブラウザの初期設定の検索エンジンをGoogleにするために、Appleに毎年約一兆円もの金額を支払っており、それが採用されて、今やiPhoneなどでは当たり前のようにGoogleが検索エンジンとして利用されています


3.広告収益

また、Googleにおいては、無料で検索エンジンを提供することによって利用者を増やし、Webサイトに掲載されている検索内容に関連する広告をクリックされたときに発生する広告収益により、生存戦略を図っています。
実は、Googleは広告代理店であり、検索エンジンの会社ではありません。これに関して自分は初めて知り驚きました。

また、Googleの広告収益のサイトにおいての配置に関して、単価の高さだけではなく、評価・クリック率・関連性などの高さを掛け合わせて(広告ランク)、高い順から上のほうに配置される仕組みになっており、高い審査料を払ったサイトから順に上の方へ配置するYahoo!との経営戦略の違いを感じました。検索エンジンにおいては、Googleのように利用者の立場を考えた精度の高い検索エンジンの方が生き残り続けるのではないかと感じました。

4.SEO対策

Googleは検索順位を決める際に、

  • ブログ名や記事の中に、検索したキーワードが含まれているか

  • 検索したキーワードとマッチした情報の濃さはあるか

  • サイトは分かりやすく訪問しやすいか。ユーザーの滞在時間はどのくらいか。

というような観点から判断をします。
これらを、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)=SEO対策といいます。
また、キーワードや情報の濃さなどは、ただ多いだけでは良くなくて、「しっかりと共起語(検索したキーワードについて関連性の高いワード)があるか」などの部分からもAIが判断しています。


カテゴリ検索とキーワード検索

カテゴリ検索とは、様々なカテゴリで分類された選択肢の中から自分の目的のものを選んでクリックしていき、目的のWebサイトを見つける検索方法であり、Yahoo!において提供されていたサービスです。
一方、キーワード検索というのは、検索窓にキーワードを自由に入力し、自分の目的のWebサイトを探す検索方法です。

カテゴリ検索人間の判断によるものである一方、キーワード検索AIの判断により検索結果が表示されるものであり、Yahoo!が人気だった過去の時代では、AIよりも人間のほうが賢かったため、人々は、より精度が高いとされたカテゴリ検索を選ぶ傾向にありました。

しかし、次第にYahoo!が衰退していくように、カテゴリ検索からキーワード検索へと人々の利用が移っていきます。このようになった理由は、AI技術の発展のほかに、Webサイト数の増加にあるといわれています。
人間が選択できる最大限だといわれている7つのカテゴリの中から選んでいき、何度かその作業を行うことにより次第に目的のWebサイトに辿り着ける方法がカテゴリ検索であるわけですが、世界のWebサイトの数は現在(2022年)、約20億サイトであるといわれていることからも考えられるように、カテゴリ選択の作業をしていたら、目的のWebサイトに着くまでにとてつもない量の時間を掛けてしまいます
キーワード検索で一瞬で見つけることが出来たのに、カテゴリ検索だといつまでも目的のものが見つけられないということになりかねないわけです。

現在では、カテゴリ検索のサービスも終了してきており、キーワード検索によって処理することが主流となってきています。

インターネットでのカテゴリ検索は見られなくなりましたが、図書館やスーパーなどの情報が有限な場所においては、まだカテゴリ別で探す方法は存在したりするので、カテゴリ検索がすべて良くないというわけではないのも事実であります。



最後に

今回の授業において、Yahoo!きっずなど懐かしいと感じるものが出てきたりしましたが、それらのサイトで終了してしまったサービスもあることに寂しさを感じました。過去のWebページを観ることのできるInternet Archiveといったサイトも存在するので、そういうサイトを利用しながら、Yahoo!を使っていたころを思い出して楽しんでみようと思いました。





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