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休職中ヤンキー社会人の代償【休職日記#2】

仕事を休むことへの罪悪感を葬り去るため、髪をブリーチして強制的に行けない状況を自ら作り出した私。当時は、我々は高度な知能と豊かな感情を有するヒト科ヒト属ヒトとはいえ、所詮パブロフの犬、条件反射さえ整えれば抗うことはできまい、これは、休む方法として精神科への強制入院なんかよりも遥かに人道的に配慮された天才的発明である、と信じて疑わなかった(見た目に関する就業規則がある場合に限る)。

美容室の帰りは、ブリーチ後に入れた色もあって、あ、これならこのまま仕事へ行けちゃうかも、と思う感じだったが、我が毛髪は日を負うごとにユーミンの卒業写真のごとく色褪せていき、今や日中スーツで社会の歯車となって働くリーマンに、この髪色の人はいないよねって感じの色味に。これは、ノーヘル原付バイクで2人乗りの人の髪色だよねって。
まぁ、それはいいや。だって、オラ会社には行かねぇぞっていう決意表明だもの。
私が掲げた元来の目的は達成している感はある。しかし、同時に予想だにしなかった副反応も発生しつつある。

金髪は、基本的に会う人全員に「こいつ、クソ元気やないかい」という印象及びツッコミを与えてしまうのだ。

まずは、友達、同僚、先輩など。
思ってたより元気そうでよかった〜という第一声多数。なるほど、キンパツは快活な印象を与えるらしい。あのかわいいアイドルも、インスタでリア充なモデルも、DJ Kooも、キラキラしてる人達はみーんな金髪やもんね。納得。

次は、メンタルの病院の主治医。
休職は医師の診断書を根拠にしているので、我がキンパツを目にした主治医が「なんたる不真面目!無職の身でけしからん!なにが病休じゃ、さっさと戻れこの錆びた歯車めが!」となれば、私の休職期間は突如終わりを迎えることになる。それはそれで1つのきっかけである。
緊迫の診察日、ヤンキー患者を見るなり、主治医は開口1番「ええやん似合ってる!宝塚みたーい!」。長身×ショート×金髪=宝塚。ザ・関西人。おおきにごっつぁんでーす。

ラスボスは職場の健康管理者。
健康管理者「今回の件で、面談にて聞き取り調査したい。」
やべー!!そうきたー!!
あっしキンパツなんですけどー!!しかもデイ・バイ・デイー!!てかストレス源から離れるために休職してんのに、この無職スタイルが軌道に乗ってきた矢先に、そんな聞き取りするぅ?それ、ガイドラインに書いてるぅ?めちゃくちゃ引き戻されるんですけど。貞子ですか、御社は貞子なんですか?来る〜きっと来る〜のノリ?いや、ノらんよ。

人を見た目で判断しちゃいけないよ、私達は幼い頃からそう教育されるが、実際には人は見た目が9割(メラビアンの法則より)説も根強い。
たかが見た目、されど見た目。いつかこの髪で仕事できる日が、この閉塞感漂う日本社会にも来ることを夢見て。
新しいことをするときは、大胆さももちろん大切だが、いろんな可能性を加味すること。合掌。

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