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オール5とは


期末テストの時期になってふと思う。

私は中学生の頃、オール5だった。
多分3年間。

でも別に全く凄いと思っていなかった。

なぜならスラム街出身で、プレッシャーもなにもなく言われたことをやっていただけだから。

中学校ではスラム街の小学校とと一軒家もちの小学校が合同になる。

一軒家の方の子達は塾に通う。
部活も真面目にやっている。

彼らはきっとその時点で「受験勉強」をしていたのだろう。

受験勉強などほぼ知らず、塾に行ける可能性もない、部活もやっているけど部活で進学なんてことは1ミリもない。

テスト範囲が言われたらその範囲に関しては全教科ノートと教科書をルーズリーフにまとめ、問題集のようなものを自分で作った。

やり出したり終わるまで気持ち悪くてやめられないのでだいたい夜にやった。シティハンターやプロレスがテレビでついてることもあればウォークマンで何か聴きながらひたすらDr.グリップのシャーペンとパイロットのオレンジ0.05ミリで暗記シートを作る。

畳に座りミニテーブルで。

当時母は夜〜朝まで工場で働いていたため、帰宅しても起きていたこともあった。

確かに勉強時間は確保できていたのかも知れないけど私にとっての勉強してる時間は暗記シートが出来上がって記憶する時間だけだった。あとは作業みたいな、今ミシンが気晴らしになるのと同じ感覚。

あとはパズルみたいに解らない問題があると悔しいし、中学で解らない問題があるとは思わず常に100点を目指してはいた。

授業態度等は他にすこぶる悪い子がたくさんいるので良くなくても良くなるし、わからないのが気持ち悪いから質問もする。
別に挙手しなくても当てられる事も多い。

オール5だった私、今はただの人間。凄さ0ミリ。

学校って何をはかってるんだろう?

運動会、遠足、宿泊学習…どれも別に行きたくなかった私がもし当時学校という制度と塾みたいな勉強に特化した制度が選べたらどうなっていたんだろう??

不公平だとも思わないし、不幸だとも思わないけど、産まれた時点で何かしら決まっていて何かしら環境の違いがみんなあって…そのせっまい円の中の評価なんて何になる?

担任が「本気で頑張ったらどこまで行くんだろうと凄く興味があります!」みたいなことを面談で言ってだけど、「本気で頑張る」って自分だけの問題じゃない。

ただ、人間関係のしょうもないことや妬みとか意地悪とかそういう事よりもただ勉強してる方が楽しかったな。

でもそれよりも学力もバラバラ、育ちもバラバラ、でもなんとなくみんな輪になっている高校が楽しかったな。

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