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アイビーブリッツと母ジュローズ

 2/4(日)、京都5R3歳新馬。NHKマイルCがギリギリ間に合う芝マイル路線。良血の呼び声高い上位人気馬たちに比べ、11番人気の低評価を受けたアイビーブリッツ。いやいや、本馬の祖母だって桜花賞馬。結果は6着だが、脚は止まっていなかった。という事で、今回はアイビーブリッツと母ジュローズのお話です。

 母ジュローズは中央で4戦未勝利。410kg程の小柄な体格で、芝・ダートいずれも通用しませんでした。
 祖母はキストゥヘヴン(06年桜花賞)。牝馬クラシックは皆勤でオークス6着、秋華賞6着。2000m以上は苦戦しますが、1600〜1800mの芝重賞を計4勝しました。
 母系としては、ジュローズの半弟にタイムトゥヘヴン(22年ダービー卿CT)。年代の近いところではヒュミドール(20年ノベンバーS)やポメグラネイト(15年三河S)などがいます。芝・ダートの区分や適距離に幅があるなど、得意分野は個々の判断が必要な一族です。

 父カレンブラックヒルは12年のNHKマイルCを新馬から4連勝で制覇。ダイワメジャーの初年度産駒で、種牡馬になった父に最初のG1をプレゼントした孝行息子です。
 種牡馬としてはダートを得意とする産駒が多め(特に牡馬は顕著)。中央から金沢へ移籍したオヌシナニモノ(21年フルーツラインC)が牡馬の出世頭です。
 本馬の同期牡馬ではサフランヒーローが中央で勝ち上がり済み。

 生産は新冠の松本信行さん。毎年の生産頭数は5頭前後です。トーホウレーサー(07年NzT)やシゲルモトナリ(10年マーガレットS)などが代表産駒。現役では高齢ながらハンデ戦でまだまだ怖いオープン馬タイセイアベニール(20年鞍馬S)がいますね。牧場ランキングの過去最高は07年の総合64位。

 血統構成は父カレンブラックヒルに母父ワークフォースの組み合わせ。2つ年上のサンマルクレイジー(現1勝クラス)がダートの1200mで勝ち上がっています。

 さて、本馬は京都・芝マイルでデビュー。冒頭で書いた様に最後まで脚は止まっていなかったので、芝も距離もこなせそう。ですが前出のオヌシナニモノ、サフランヒーロー、サンマルクレイジーはいずれもダート馬。加えてサフランヒーローが2着に逃げ粘った寒椿賞(ダート1400m)で、最低人気ながら5着に突っ込んだ地方馬デュアルロンド(同じく父カレンブラックヒル)。彼らを見る限りダートの方が未勝利クラス卒業は早そうにも思えますが、どうでしょうか。

 最後にちょっとだけ。
 ジュローズの父ワークフォースが日本で種牡馬生活を始めたのが2012年。最近では母父としてその名前を見つける事が増えてきましたね。
 牡馬ではジャスティンカフェ(23年エプソムC)、牝馬ではアーテルアストレア(23年Lプレリュード)が代表格でしょうか(23年末時点)。
 英ダービーや凱旋門賞などを制した欧州トップホースだっただけに、隔世遺伝で規格外の超大物が出現しても不思議はありません。
 現時点で未勝利の本馬アイビーブリッツがその馬だとは言いませんが、母ジュローズは桜花賞馬の娘ですからね。ふんわりと応援していきます。
 (馬名の「アイビー」はオーナーの冠名です。「ブリッツ」は「閃光」の意味を持つドイツ語だそうです。今回のサムネイル画像はそういった理由から)

 今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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