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オーケーカルメンと母ウインフロレゾン

 2歳9月に阪神・未勝利戦を9番人気で勝ち上がったオーケーカルメン。前走なでしこ賞は大敗でしたが、再度の激走はあるのか。少し調べてみました。

 母ウインフロレゾンは中央で芝を2勝。初勝利は2歳9月の未勝利戦でしたので、母娘の勝ち上がりは同じタイミングですね。その後、冬の数ヶ月は苦戦しますが、春には大寒桜賞で2着。このレース後に京都新聞杯1着→日本ダービー3着の活躍をするトーセンホマレボシに0.1秒差の大激走でした。2013年の4歳秋に競走馬を引退、繁殖入り。23年末現在、オープンクラスに在籍するスタッドリー(オリオンS)などを産む優秀な母馬です。

 父ドレフォンは3歳でBCスプリントを勝利した米ダート短距離王。産駒は現2歳が第3世代です。牝馬では芝マイラーのサーマルウインド(信越S)もいますが、全体ではダートを得意とする産駒が多数。ドレフォン自身は短距離馬ですが、産駒は1200m型に偏ることなく、マイルや中距離もよく走っていますね。

 生産牧場も見ていきましょう。ニ風谷ファームは毎年の生産頭数が15頭前後の為、牧場ランキングの上位にその名は見つかりません(過去最高はシェルビー(キャピタルS)が活躍した14年度の総合77位)。ですが、過去には中央でコスモシルバード(函館2歳S2着)や、ペイシャオブロー(福島2歳Sレコード勝ち)、地方ではレッドドラゴン(ニューイヤーC(浦和重賞))など、早い時期に上のクラスで好走する馬を出せる牧場です。
 特に今年の2歳世代は奮闘しており、ナナオが函館2歳S2着→もみじS1着。地方馬カイコウがクローバー賞2着(現在は中央に転厩)。ルルディルッカは福島ダート1700mをレコード勝ち。この後も未勝利戦を勝ち上がりそうな馬が何頭も控えており、中央勝ち上がり率はハイアベレージを記録しそうです。

 さて、ここからはオーケーカルメンにフォーカスしていきます。
 まずは血統構成ですが、母父フジキセキと父ドレフォンの相性は良好で、現オープンクラスのカラフルキューブ(ポプラS)が筆頭。複数頭が3歳を待たずに勝ち上がるなど、仕上がりの早さを示しています(現2歳では本馬の他にエチャケナも勝ち上がり)。
 本馬も仕上がりは早く、デビューは夏の新潟・芝のマイル戦でした。母が芝馬ですし、上記サーマルウインドの例もありますからレース選択はごく自然だったと思います。3戦目でダートに転向し、見事勝利しましたが、前走なでしこ賞は大敗してしまいました。
 本馬は420kg程度の小柄な馬です。力の要るダートの良馬場は大型馬に分がある、と言われれば確かにそうでしょう。本馬の半姉ベルフロレゾンも同様に小柄で、中央のダート未勝利戦を勝ち上がったものの、その後は重馬場のダートを4着に食い込んだのが精一杯でした。なお、姉妹の未勝利勝ちはいずれも負担重量の少ない減量騎手騎乗です。
 これらの事情を考えると、今後の好走の条件は「湿った馬場&減量騎手起用の平場(一般戦)」でしょうか。現在は放牧中ですので、春には一回り大きくなって競馬場に戻ってきて欲しいですね。

 余談ですが、母ウインフロレゾンの大寒桜賞2着は10番人気、半兄スタッドリーの若葉S3着は6番人気でした(いずれも時期は3歳春)。本馬も人気薄を打破する季節性アノマリーを踏襲できるでしょうか。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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