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ライフスパン(老いなき世界)

遅ればせながら、話題の書を読みました。蔵書もかなり多いので話題の本はある程度経ってから読むようにしてます。
内容的には速読向きの本でこの種の本を読んだことのある人はすぐ読めると思います。
YouTubeでもいくつかの番組があります。
「ライフスパン~老いなき世界を生きる」(東洋経済新社、2020年)
Keyword 01
老化は病である
年をとり、老いていくことは、自然で避けられないものと思っていた私たちの常識を覆す
Keyword 02
ついに、生命が老いるメカニズムを解明
なぜ生命には寿命があり、なぜ老いていくのかーー。今まで人類が解けなかった謎を、著者独自の「老化の情報理論」で解き明かす
Keyword 03
今すぐ手に入る「老いない身体」
間欠的断食や運動、サウナや寒さに身をさらすなど、健康で若々しくいるために、私たちが今すぐできることを、生命の「サバイバル回路」に従って明かにする
Keyword 04
知識や知恵はそのままに、肉体だけリセットできる未来がやって来る。 
(山中伸弥教授のiPS細胞の発見によって、細胞をリプログラミングし、老化を巻き戻す(=若返る)ことも可能になる未来を提示する)
Keyword 05
「病なき老い、老いなき未来」の人生戦略
健康寿命が延びることで一変する、社会やビジネス、そして私たちの生き方、働き方。何歳でも再び挑戦し続けることができる未来をどう生きるべきか、私たちに問いかける
著者 デビッド・A・シンクレア
ハーバード大学医学大学院遺伝学教授、同大学ポール・F・グレン老化生物学研究センター共同所長。老化と若返りの第一人者。『タイム』誌による「世界で最も影響力のある100人」(2014年)、「医療におけるトップ50人」(2018年)の1人にも選出される。NHKスペシャル『ネクストワールド 私たちの未来』(2015年放送)にも出演。50件超の特許を共同発明し、14社のバイオテクノロジー企業を共同創業。国防関係機関やNASAとも共同研究を行なうほか、数々の賞を受賞。
Twitter @davidasinclair
Instagram @davidsinclairphd
引用先 試し読み、購入
https://str.toyokeizai.net/-/book/lifespan/


Keyword 01シンクレアらの革新的なところは老化はガンと同じく病気で治療できるという点。
Keyword 02 老化は生物学上の何らかの理由でおきるのてなく、デジタルのDNAから解釈する際に用いられるアナログ情報のエピゲノムの問題であるとする。
Keyword 03
断食ないし、プチ断食といった間欠食(飢餓は×)、サウナのような暑さ・寒さ(これも行過ぎ×)、運動(過労は×)といった適度なストレスによってホルミシス効果で長寿遺伝子が機能しだす。
リスベラトロール、MNMなどを示唆
Keyword 04
身体自体をリセットできる未来を予想。
少し前に知られた山中教授の技術であるiPS細胞で細胞を新しくしなおす、リセットできると想定している。
(本文にあるようにまだ課題は多い)
Keyword 05
「病なき老い、老いなき未来」の人生戦略
長い人生をいかに生きるか。生き甲斐を見いだす必要性が
課題となる。
(自由業、自営業なら問題は少ないが、労働の問題、さらに資源の問題が頻出する)

()内樋口補足
論文
一般的で分かりやすいものを翻訳。(もとはnature誌)
https://sinclair.hms.harvard.edu/publications
Abstract
Information storage and retrieval is essential for all life. In biology, information is primarily stored in two distinct ways: the genome, comprising nucleic acids, acts as a foundational blueprint and the epigenome, consisting of chemical modifications to DNA and histone proteins, regulates gene expression patterns and endows cells with specific identities and functions. Unlike the stable, digital nature of genetic information, epigenetic information is stored in a digital-analog format, susceptible to alterations induced by diverse environmental signals and cellular damage. The Information Theory of Aging (ITOA) states that the aging process is driven by the progressive loss of youthful epigenetic information, the retrieval of which via epigenetic reprogramming can improve the function of damaged and aged tissues by catalyzing age reversal.
最新論文概要
情報の保存と検索はあらゆる生命にとって不可欠な要素である。 (分子)生物学上、情報は主に 2 つの異なる方法で保存されている。核酸で構成されるゲノムは基礎的な設計図として機能し、エピゲノムは DNA およびヒストンタンパク質(真核生物の染色体を構成する)への化学変性(一般的にはデンプン等を酵素などで処理すること)で構成され、遺伝子発現パターンを調節し、細胞に特定のアイデンティティと機能を与える。 遺伝情報の安定したデジタル的な性質とは異なり、エピジェネティック情報はデジタルアナログ形式で保存されるため、さまざまな環境信号や細胞損傷によって引き起こされる変化の影響を受けやすい。 (シンクレアらの)老化情報理論 (ITOA) では、老化のプロセスは若々しいエピジェネティックな情報の進行性の喪失によって引き起こされ、エピジェネティックな再プログラミングを介してその情報を回復すると、年齢逆転を触媒することで損傷した老化した組織の機能を改善できるとされる。

https://www.nature.com/articles/s43587-023-00555-2

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