レモンポップさん

ガタンッ。
一斉に戸が開く。
ゲートの前には砂塵が湧き上がり、15頭60個の蹄が躍動を始める。
さっそく大外不利とされていた、15番レモンポップが最初に飛びだす。位置どりをしっかり決めて先頭に立つ。
1コーナに入れば緩やかに登り始める。やがて横2列ほどのややまとまった隊列が出来上がっていく。
我が馬券の軸、テーオーケインズは列の内側、悪くない位置取りか。
隊列は順調に3コーナーから4コーナーにかけて勢いをつけて進んでいき、4コーナーカーブにて鋭い角度で曲がりきれなかった隊列が横に広がってしまった……。
「どんだけ遠いとこ走ってんねん」
結果はしっかりロスなく走り切った馬が馬券内にきたという印象。またダートという脚のとられるフィールドで末脚の強い馬が食い込んできた。
レモンポップは出走直後に馬力をかなり使ったと思われるが最後まで逃げ切り、初めての1800mというハードルも超えてきた。
これで10勝目を挙げ、地中海性の柑橘類として砂上での威厳を現したのだった。

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