カルタグラ~ツキ狂イノ病~《REBIRTH FHD SIZE EDITION》※ネタバレあり

0. はじめに

初投稿になります。拙い文章になるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

という訳で(?)、本日のテーマはこちら。
今年遂に出ましたね。カルタグラFHD版。
実は、去年からずっと待っていた作品です。

前提として、本編自体は追加のサクラメント含めて2年近く前に既に一周プレイしています。
今回は、旧作との違いをメインに文字に起こそうと思います。

※以下、ネタバレを含みます。

1. 今回の追加要素について

サクラメントを含めて、1周目をやった時点(確か2年前近く)では、(このゲームの性質上仕方がないことかもしれませんが)後味の悪い気分を抱えたことがあります。
その理由が今回、改めて実感したことでもあるのですが

「色々と報われることがないまま終わってしまっている」

という点だったのではないかと思います(あくまで個人の感想ですが)
そういった観点から、今回は凛・楼子・由良について取り上げます。

今回、救済シナリオが追加されたヒロインその1。

旧作ではどのルートでも前半で退場してしまう印象があったのですが、今回めでたく正式にルート追加。
秋五の探偵事務所の助手として再出発するところで話は終了します。
FDの「和み匣」で何故か茶道の先生として、登場するシナリオがあったような気が。
でもこれはこれはアリのような。
ただ、制作陣もただで生かすつもりはなかったみたいなので、身体の一部を奪われた状態で復活させる辺りはやっぱりイノグレだなあと感じました。

楼子

救済シナリオが追加されたヒロインその2。
というより、サブキャラクターの中だと個人的に一番報われてほしかったキャラ。
実は私が1周目をプレイした際、退場の仕方があまりに強烈過ぎて一度文章を読み進めるのを止めたんですよね。
だからこそ、リメイクでシナリオが追加される際は期待していたのですが、めでたく加筆されました。よかったよかった。

ただ、上の凛にも同様ですが、救済シナリオが追加されたとは言え、彼女たちの追加シナリオを見た上で、別ルートに進む際に再度退場するシーンを見なければならないのは1周目とは別の意味での辛さを感じました。

由良

本作の最大の要素。
上月由良に始まり、上月由良に終わる。というのがこの作品の見どころだと思います。
まずは、カルタグラ本編から。
簡潔に上月由良というキャラを説明しますと、家族からは先天性の病から「憑き物」扱いされた上で見放され、外出した先で逢った秋五の人情に触れ、初めて自身を本心から偏見を持たずに接してくれた彼に対して以降文字通り「妄執」していきます。
終盤、この作品のメインヒロインでありかつ双子の妹である和菜と秋五が恋仲にあることを知り、自身が「和菜」と成り代わり秋五からの愛を奪い取ろうと、自身の双子の妹さえも亡き者にしようとします。

補足として、和菜も秋五同様由良に対して好意を抱いていたものの、実家から東京に出て舞台俳優として日の目を浴びる和菜は由良から見れば真逆の生き方をしているといった形になります。そのため、由良からすれば実の妹でさえも憎しみの対象でしかありませんでした。
結果として、秋五が放った弾丸により由良は昏睡に陥る─という形でカルタグラ本編は幕を閉じます。

そして、物語は後日談の「サクラメント」へ。
今回は由良がメインの「白詰草」シナリオ、及びそこから派生する〈海の影〉、そして〈海の光〉EDについて取り上げます。
まずは、旧作FDでの白詰草シナリオから。
今作では〈逃避行〉というタイトルになっていましたね。
初見で見たときは、秋五と由良が逃避行に出る…という結末で、やはり個人的にも「え、それだけ…?」感が拭えなかった部分があったんですよね。

ということで(?)、今作に追加された2エンディングを見ていきましょう。
まず、〈海の影〉。秋五と由良は旅路の果てに日本海側の小さな集落に住み着くことになりますが、そこで由良は秋五との子どもを宿します。
ただ、由良はかつて秋五から自身に向けられた愛がその子に行くことを恐れ、その結果お腹の中の子と共に海の中へ飛び込むというもの。
おお…狂気過ぎる…
そして、〈海の光〉。詳細は省きますが、事前の選択肢が重要になるみたいですね。そして結果、秋五を信じ自身の子を産み育てることを決意します。

そしてその子に対しても向き合うために、過去の所業への清算をするため秋五と月子(子供の名前)を残して、再度一人で旅経つところでグランドエンディング。

守ってあげたいこの笑顔。
ここまで辿り着いた瞬間、1周目とは別の意味でプレイ後1日くらい放心状態になりました。

1周目をプレイした際、私自身思っていたのが「(過去の所業がどうであれ)全体的に由良が報われてなさ過ぎる」ということ。
何かの形で報われるシナリオが欲しいとは常々思っていましたが…
由良様…本当に報われて良かった…!

2. 終わりに

元は18年前の作品ですが、リメイクとして一つの完成形を見た気がしました。
1周目は後味の悪さに放心状態になりましたが、今回はそれとは別の意味で放心状態になりましたね。私の場合、過去にプレイした作品でプレイ後に放心状態になった作品では「穢翼のユースティア」と「CROSS✝CHANNEL」がありましたが、今回はプレイ後にある意味それを越える清々しさを感じました。
この作品のリメイク版を出してくれたInnocent Grey殿への感謝を込めて、今回はここまで。

3. おまけ


冬史さん…やっぱり此処でも味噌推しなんですね…。
続編の「殻ノ少女」シリーズでも続投とのことで、今後の活躍に期待。
(この記事を書いている段階ではまだ殻ノ少女は未プレイです)

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