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私のパイ歴

中学生になって、気がついたら膨らんでいたけど、
小学生の頃に「男子目線を気にした女子、コワい」体験をしたおかげで、
自分の体をそうやって意識することが増えるのもイヤで、
更に女子校だったので、友達と「めんどくさいよね~」と言い合ってうやむやにしていた。


とはいえ、
通学の満員電車内で痴漢に合うだけでなく、男子学生に痴女に間違えられて睨まれるし、
当時流行っていたピッタリした服が似合わない気がして、
すっかり自分の胸を持て余していて、煩わしいものでしかなかった。

けれど。

20代になり、
堂々と私の胸にフォーカスしたり、褒める人がいること。
ナンパかと思いきや、暗がりに連れていかれ、「おっぱい見せて」と言われること。
服を脱げば、顔をうずめてくる人。

服がピッタリでもゆったりでも、私を睨んでくる人はいなかった。
当時好きになった人が優しく触ってくれたときは嬉しかった。

テレビでも、巨乳アイドルが人気を博していて、
年も近い彼女たちの存在は私の心の支えでもあった。
(小池栄子さん、今でも好き)


やがて、
「このおっぱいがあれば、私の存在は証明される」と感じ始め、

私 = おっぱい になっていった。

私はおっぱいだったから、存在を認めてもらったことは嬉しかったけれど、
触れられても気持ちよかったことは一度たりとなかった。

「男が好きなもの」で「行為の一環」という認識で、相手が喜んでいる顔を見て安心するだけだった。

やがておっぱいは迷子になりながらも、
生まれてきた子供に数回役立ち、その後は暫く鳴りを潜めることになる。


現在。

私は私になり、
おっぱいは私の体の一部で、乳と名のつくところどこにおいても、
それはそれは気持ちよく反応するものに育った。

めでたしめでたし。

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