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初めてのときは、ウトウトしていたのもあって、何が起きたかわからなかった。

目を開けて、体を起こしたら、そっと顔が近づいてくる。
戸惑った。
けれど、なぜか嫌な気分じゃなくて、そのまま任せてみた。
寝ぼけた頭で、終わったらこれからどうするか考えようと。


触れた瞬間、
頭が冴えて、まるで吸い寄せられるように止められなくなった。

私の身体がどうしちゃったのか考えようとしても、
唇が片時も離れたくなくて、喰らいついていく。

暑くて、汗だくで、のどが渇いて水が飲みたくて、
でも離れたくなくて、どんどん深く絡ませていく。

のぼせながら、びしょびしょになる。
私はいつまでも潤う。
潤って巡る。
全身が開いて、思い出してくる。


1時間も2時間もこうしてた。
汗臭いし、メイクはよれて、現実に戻ってくると苦笑い。

どうやって終わらせたのか覚えていないし、
この日から何度も何度も繰り返して。
後戻りも、先に進むこともなく、ただ求め続ける。

「嫌じゃない」「気持ちがいい」
それだけで、お互いの気持ちはわからない。
始まると、話す間もなく止められない。


これが紛れもない、馴れ初め。


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